今盛り上がりを見せている「ライブコマース」をご存知でしょうか?
タレントやインフルエンサーがライブ動画を配信し、視聴者はリアルタイムに質問やコメントをしながら商品を購入できるという新しいEコマースの形。先行する中国では既に2時間で3億円を売り上げるようなインフルエンサーの実績も出てきており、日本でも関連するアプリが続々とリリースされています。
そこで今回は「ライブコマース」に関する基礎知識をご紹介しつつ、最新の関連情報をまとめてみました。インフルエンサーが力を増していく中で、ライブコマースが大きく成長していくことは間違いありません。取り残されることがないよう、今のうちから基本をしっかりと押さえておきましょう。
※2017年11月に行われたライブコマース事業者3社のトークイベントの記事はこちらです↓↓。
売れる配信者は100人もいない。ライブコマース事業者3社によるイベントレポート【TechCrunch Tokyo 2017】
※更新履歴
2018年3月26日:一部サービスが終了となったため、情報を更新しました。
2017年11月1日:最新情報をもとに、サービス例を追加しました。
- ■目次
- 話題のライブコマースとは?
- ライブコマースの特徴
- 現在リリースされている国内のライブコマースサービス6選
- まとめ
1. 話題のライブコマースとは?
ECにライブ配信の動画を掛け合わせたもので、ライブ動画を見ながら商品を購入できるような通販の形です。イメージとしてはテレビショッピングのインタラクティブ版で、視聴者はリアルタイムで出品者・販売者に対して質問やコメントをしながらショッピングができます。
従来のテレビショッピングが一方的であったことと比較すると、コミュニケーションを通じて商品を深く理解することができ、生放送の良さである「臨場感」も持ち合わせたハイブリッドなEコマースの形であると言えます。
なぜ今ライブコマースが注目されているのか?
ライブコマースに注目が集まっている理由はさまざまなものがありますが、代表的なものを3つ挙げます。
理由1:そもそもライブ動画が盛り上がっている
そもそもライブ配信が動画のトレンドとして注目されています。InstagramやFacebookでも相次いでライブ配信のための機能が追加されており、動画を配信できる環境自体が次々に整えられてきています。
関連記事:2016年、各SNSのアップデートからみる「動画・ライブ配信」に注力する理由
理由2:ライブ独特の臨場感とコミュニケーションがユーザーに受けている
その瞬間にしか味わえないライブ動画ならではの臨場感が、ユーザーに受け入れられています。さらにコメントをしたらその場で返答がもらえたり、配信者に名前を呼んでもらえたり、リアルタイムのコミュニケーションも楽しめます。通常のECサイトで臨場感を感じることはほぼありません、先に何が起こるかわからないライブコマースは、新しいワクワク感をユーザーに与えています。
理由3:海外ですでに成功している
中国では、すでにライブコマースが広く受け入れられています。この事例がライブコマースの広がりを加速させているといえるでしょう。中国では動画配信によるマネタイズの動きも活発で、すでに億単位の収入をライブコマースから得るようになった人も出てきています。
ソーシャルコマースとしてのライブコマース
今まで、基本的に1人で商品選定から購買までが行われていてネットショッピング。そこに、人とのコミュニケーションを付加してより良い購買体験を実現する「ソーシャルコマース」という新しいショッピングの形が注目を浴びていることも、ライブコマースが流行り始めていることの理由の1つです。
そもそもですが、私たちが商品を購入するまでの行動は「社会的」なものです。友達や家族に評判を聞き、店員に詳細の説明を受けるようなコミュニケーションがあってから買うかどうかを決定します。つまり、ショッピングには人と人とのやり取りが重要なのです。しかし、これまでのECサイトではそうした身近な人の評判を得たり、直接の説明を受けたりすることが難しくなっていました。
一方で、ソーシャルメディアで人と人とが常時繋がるようになってからは情報のやり取りを前提としたショッピングができるようになってきています。友達の「いいね!」やシェアの情報を簡単に手に入れることができ、それを参考に商品を購入できます。
ライブコマースもテレビ通販に人とのやり取りを足し合わせたようなもので、これまでのテレビ通販よりも「社会的」な特徴を強めているソーシャルコマースのひとつです。そういった意味で、eコマース業界全体の流れから言っても、ライブコマースは人とつながりつつショッピングをしたいという新しいニーズに応えていると言えます。
関連記事:ソーシャルコマースとは?海外記事をもとにした解説と7分類
2. ライブコマースの特徴
ここまでライブコマースについて大まかに触れてきましたが、どういった特徴があるのか、3つのポイントにまとめていきます。
①配信者とのコミュニケーションによる購買体験の向上
ライブ配信中はコメント欄で、インタラクティブなやり取りが可能です。「買います!」「ありがとうございます!」といったようなライブ感のあるコミュニケーションが購買体験を向上させます。
また、ただ商品を買うのではなく、「この人が紹介しているから買う」といったように、思い入れをもって商品を購入することもできます。
②EC特有の不安の解消
ライブコマースでは、画像だけではわからない点を質問でき、その場で疑問や不安を解消できます。例えば洋服であれば、生地の質感や、着心地、サイズ感など、実際に商品が手元にないと分からないようなことも聞けるのです。
特に中国では、偽物が市場に広く流通しているため、ライブ配信を通じて「商品が本物である」という安心感を得られることが重要なポイントになっています。
③ライブ動画閲覧から購入までのスムーズな導線
実際にアプリを使ってみると分かりますが、ライブ動画で紹介されている商品へのアクセス、購入までがとてもスムーズに設計されています。例えばメルカリであれば、動画のすぐ下に紹介中の商品ページへの導線があり、商品の詳細をテキストでチェックすることができます。また購入の際もカード情報を入力しておけば、数タップで購入が完了してしまう手軽さです。
3. 現在リリースされている国内のライブコマースサービス6選
それでは、現在リリースされている主要なライブコマースサービスを紹介していきます。
メルカリチャンネル
https://www.mercari.com/jp/mercari-channel/
- 運営会社:株式会社メルカリ
- 配信開始日:2017年7月31日
- 配信者:タレント、一部の一般ユーザー
いわずと知れたメルカリのライブコマースです。
販売ジャンルはメルカリと同様、食品から娯楽用品まで、幅広く取り揃えています。配信している人の幅も広く、芸能人がサイン付き商品を販売したりする一方で、一般の主婦やOLが自分では着なくなった服や、使わなくなった子供のおもちゃを販売するような動画も多数配信されています。
SHOPROOM
https://www.showroom-live.com/shoproom
- 運営会社:SHOWROOM株式会社
- 配信開始日:2016年9月7日
- 配信者:タレント、モデル
アイドルやアーティストの動画ストリーミングサービスを提供する「SHOWROOM(ショールーム)」から派生したサービスのため、タレントやモデルなど有名人による配信が中心になっています。過去には北川景子さんがドラマで着用した商品を紹介するなど、今後も話題性のある商品を紹介していくようです。
※画像は「SHOW ROOM」の配信画面です。
Live Shop!
- 運営会社:株式会社 Candee
- 配信開始日:2017年6月7日
- 配信者:タレント、インフルエンサー
商品の直接的なPRというよりも、「メイク術」や「ファッションコーディネートのコツ」など、ノウハウ色の強い動画が多く配信されています。 また、動画は自社スタジオで撮影されているものが多く、一本一本のクオリティーが高いのも特徴です。
MimiTV
- 運営会社:株式会社MimiTV
- 配信開始日:2017年8月3日
- 配信者:タレント、インフルエンサー
Live shop!と同様に女性向けのメイク術やヘアアレンジを紹介する動画を多くそろえています。
動画自体は30秒ほどの短いものも多く、サクサクと気軽に動画をみることができます。
PinQul
- 運営会社:株式会社Flatt
- 配信開始日:2017年10月5日
- 配信者:モデル、インフルエンサー
優れたファッションセンスを持つインフルエンサー達が自身でデザインしたアイテムや、セレクトしたブランドのアイテムなどを紹介しています。ライブ配信でアイテムが紹介され、配信者とのコミュニケーションを通じてアイテムに関する疑問を解決することができるようになっています。
BASEライブ
- 運営会社:BASE株式会社(BASE,Inc.)
- 配信開始日:2017年9月20日
- 配信者:商品販売者、タレント、インフルエンサー
BASEライブは、BASEで出店しているショップやメーカーが直接出演して商品の魅力をライブ配信できるというのが特徴です。インフルエンサーやモデルなどの限られた人でなくても配信でき、ユーザーはライブ配信を見ながら商品を購入できます。
補足:配信終了する/したサービス
ラッフィー
- 運営会社:株式会社ディー・エヌ・エー
- 配信者:誰でも投稿可能
- 配信開始日:2017年4月7日
- 配信終了日:2018年3月30日
DeNAがリリースしているライブ配信アプリで、女性向けに様々な販売動画が配信されていました。誰でもライブ動画が配信できることが特徴で、いらなくなった洋服を売る人もいれば、手芸をライブ配信しながら販売する人もいました。
2017年12月15日、ユーザー数の成長や継続的な運用に課題があったとして、2018年3月30日(金)をもってサービスを終了する旨が公式ブログにて発表されました。
4. まとめ
すでにたくさんのプラットフォームが生まれ始めているライブコマースですが、それぞれに特徴があり、売っている商材やアプリのテイストも異なります。そのため自分の商材であればどんなプラットフォームと相性がいいのかを見極めることは重要です。
今後ライブコマースを活用していくのであれば、リリースされるサービスやアプリの情報をキャッチアップし、それぞれの特徴を押さえていくようにしましょう。
あわせて読みたい記事
売れる配信者は100人もいない。ライブコマース事業者3社によるイベントレポート【TechCrunch Tokyo 2017】
情報提供元:Gaiax
記事名:「たった2時間で3億円稼ぐユーザーも!? 話題のライブコマースとは?国内の代表サービス6選」