近年、すべての世代においてインターネット利用時間が増加しており、特に若年層は「テレビよりネット動画」、「新聞よりネットニュースをよく利用する」傾向が強くなっています。

さらに、10代20代の若者は検索エンジンよりもSNSで情報収集する人が多く、ニュースから交通情報まで、Twitterなどリアルタイムで生の声が反映されるメディアを好んで利用するようです。

本記事では、こういったインターネットやSNSの利用状況に関するデータをまとめ、若者に焦点を当てて考察していきます。

    ■目次

  1. 若年層のSNS利用状況について
  2. 動画・ライブ配信コンテンツ利用状況
  3. SNSでの情報収集をどのように利用しているか
  4. SNS広告についての調査
  5. SNSに関するトラブルについての調査
  6. まとめ

1. 若年層のSNS利用状況について

インターネットの利用状況の変遷。若年層と他年代との違いは?

  • 調査機関:総務省 情報通信政策研究所
  • リリース日: 2017年7月7日
  • 調査対象期間:2016年11月26日~12月2日
  • 調査対象者:13歳から69歳までの男女1,500人

10~20代はテレビよりネット利用時間のほうが長い

2016年11月に、総務省によって行われた「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の結果では、すべての年代においてテレビ視聴時間は年々減少、逆にインターネット利用時間は増加傾向にあります。

10代20代に限ってはインターネット利用時間がテレビ視聴時間を上回っており、2012年の調査結果の1.2~1.4倍という高い値です。

ソーシャルメディアの利用状況

インターネット利用時間のうち、10~20代はソーシャルメディアに費やす時間がほかの世代に比べ圧倒的に多く、特に女性でその傾向が顕著です。

全世代含めて7割以上の人が、なんらかのソーシャルメディアを利用していますが、なかでもLINE・YouTubeは利用者が多く、10~30代の利用率はどちらも9割前後。また10~20代は、ほかの年代よりTwitter利用率が高く6割前後、Instagramも10代の3割、20代の4割以上が利用しています。

詳しい調査結果は以下をご覧ください。

調査結果URL:http://www.soumu.go.jp/main_content/000492876.pdf

10代に突出して人気のサービスは「Twitter」「SNOW」

  • 調査機関:株式会社ジャストシステム
  • リリース日: 2017年5月10日
  • 調査対象期間:2017年4月26日~4月30日
  • 調査対象者:15歳~69歳の男女1,100名

若年層のSNS利用傾向として、他年代で利用率の高いFacebookの利用率が低く、反対にTwitterの利用率が高い点が挙げられます。また画像メインのSNSとして、InstagramよりSNOWのほうが10代に人気が高く、約半数の49%が利用していると回答しています。対するInstagramの利用率は、43%です。10代女性に絞ると、SNOWが74%、Instagramが68%となっており、どちらも特に女性に人気が高いことが分かります。

自撮り写真に動物の耳や鼻などを合成したり、目を大きくする加工をしたりして可愛く「盛れる」のが根強い人気の理由でしょう。また動画の加工も手軽にできるため、友だち同士で交換するなど「遊び」として楽しめるのも10代にとっては魅力が大きいようです。

詳しい調査結果は以下をご覧ください。

調査結果URL:https://marketing-rc.com/report/report-monthly-20170510.html

10代は同一SNSに複数アカウントを持つ人が6割も! 15~49歳対象「若者のスマホ利用実態調査」

  • 調査機関:ビッグローブ株式会社
  • リリース日: 2017年3月28日
  • 調査対象期間:2017年3月13日~3月15日
  • 調査対象者:スマホを所有する15歳~49歳の男女800名

2017年3月に行われたビッグローブによる「スマホ利用実態調査」によると、同一のSNSにおいて複数のアカウントを持ち使い分けているという人は全体の46%。10代では、なんと6割以上となっています。

「オンとオフを切り替えたい」、「趣味限定のアカウント」、「人間関係の愚痴を吐き出すため」など、理由はさまざまですが、普段の自分とは別の一面を使い分けたいと考える若者が多いということかもしれません。

詳しい調査結果は以下をご覧ください。

調査結果URL:http://www.biglobe.co.jp/pressroom/info/2017/03/170328-1

10~20代女性の「ソーシャルメディアに対する意識と使い方」

  • 調査機関:株式会社博報堂DYメディアパートナーズ
  • リリース日: 2017年6月20日
  • 調査対象期間:2017年1月26日~2017年2月10日
  • 調査対象者:15~69歳の男女2,496名

株式会社博報堂では、毎年メディアへの接触状況を調査分析する「メディア定点調査」が行われています。2017年度の調査結果によると、SNSが暮らしに欠かせないと答えた人の割合は10代20代が突出して高いです。

参考:http://www.hakuhodody-media.co.jp/column_topics/column/media_environment/20170920_19228.html

またSNSを通じて友人や知人がシェアした情報に触れたり、SNSから得た情報がきっかけでテレビを見たりする人も10~20代が飛びぬけて高く、若者にとってSNSは行動に影響を与える大きな存在であることがうかがえます。

詳しい調査結果は以下をご覧ください。

調査結果URL:http://www.hakuhodody-media.co.jp/column_topics/column/media_environment/20170920_19228.html

2. 動画・ライブ配信コンテンツ利用状況

マイナー受けが強み?10代はネットテレビ視聴経験者が4割以上

  • 調査機関:株式会社ジャストシステム
  • リリース日: 2016年9月13日
  • 調査対象期間:2016年8月31日~8月31日
  • 調査対象者:15歳~69歳の男女1,100名

2016年8月調査結果では、10代のスマートフォンユーザーの4割以上がスマートフォンでテレビを視聴しているとのこと。2017年9月の同調査では、動画の視聴デバイスはスマートフォンという人が最多という結果になったようです。元SMAP3人による、72時間生放送が話題となった「AbemaTV」も、10代では半数近くが利用経験ありと回答しています。

詳しい調査結果は以下をご覧ください。

調査結果URL:https://marketing-rc.com/report/report-monthly-20160913.html

10代の3割以上が地上波テレビ視聴アプリを利用

  • 調査機関:株式会社ジャストシステム
  • リリース日: 2016年12月7日
  • 調査対象期間:2016年11月30日~12月2日
  • 調査対象者:15歳~69歳の男女1,100名

スマートフォン利用者のうち、TVerやNHKオンデマンドなどの地上波テレビ視聴アプリの利用率がもっとも高いのも10代。2015年11月の調査結果では15.7%だったのが1年後に約31%とほぼ倍増しており、急激な拡大を遂げています。

詳しい調査結果は以下をご覧ください。

調査結果URL:https://marketing-rc.com/report/report-monthly-20161207.html

10代の半数近くが動画コンテンツを毎日視聴

  • 調査機関:株式会社ジャストシステム
  • リリース日: 2017年6月28日
  • 調査対象期間:2017年6月9日~6月16日
  • 調査対象者:15歳~69歳の男女1,100名

SNSやYouTubeなど動画投稿サイトの無料コンテンツを視聴している人のうち、「毎日見る」という人は全体の約24%。10代に限定すると約46%と半数ほどとなっています。スマートフォンでの視聴が9割とのことから、「空いた時間に動画を見る」ということが習慣化しているとも考えられます。

詳しい調査結果は以下をご覧ください。

調査結果URL:https://marketing-rc.com/report/report-video-20170628.html

10代女性に聞いた!生配信アプリ、どれ使ってる?

  • 調査機関:株式会社マイナビ
  • リリース日: 2017年4月3日
  • 調査対象者:10代女性

http://official-blog.line.me/ja/archives/64794733.html#live

「SNSでのコミュニケーションはリアルタイムで」が10代の最新トレンド。Instagramのライブ配信機能や、LINEで「SNOW風」に加工した動画を配信できる「LINE LIVE」などの人気が高いようです。スマートフォンという気軽に取り出せるツールで、友人とリアルタイム動画を共有するというのが、遊び兼コミュニケーションの一環ということなのでしょう。

詳しい調査結果は以下をご覧ください。

調査結果URL:https://teenslab.mynavi.jp/column/trend-teen-live-app.html

関連記事:Instagramの新機能「ライブ配信」を徹底解説!ユーザーとのリアルタイムコミュニケーションが簡単に!

3. SNSでの情報収集をどのように利用しているか

10~20代は信頼性より即時性生の声を重視

  • 調査機関: 株式会社野村総合研究所
  • リリース日: 2017年1月17日
  • 調査対象期間:2013年12月13~14日2014年12月8~9日2015年12月19~20日2016年12月17~18日
  • 調査対象者:15歳~69歳の男女、各年3,095~3,098名

10~20代の若者は、信頼度が低いと感じながらも、情報収集の媒体としてテレビよりSNSを利用する人が多い傾向にあるようです。特に10代では7割近くがSNSで情報収集しています。

その理由は、最新の情報が入手できるという即時性にあり、電車の遅れなどをSNSで検索する人も。実際に情報収集に利用したことがあるSNSとして、10~20代男女とも半数以上がTwitterを挙げています。

詳しい調査結果は以下をご覧ください。

調査結果URL:https://www.nri.com/jp/event/mediaforum/2017/pdf/forum245.pdf

10代スマホユーザーの約7割がSNSやニュースコンテンツから情報収集

  • 調査機関:株式会社ジャストシステム
  • リリース日: 2017年3月8日
  • 調査対象期間:2017年2月28日~3月6日
  • 調査対象者:15歳~69歳の男女1,100名

ニュースなどを見るための情報収集メディアのうち、接触頻度がもっとも高いものは全世代でスマートフォンからのインターネットやアプリ。そのうち、利用するジャンルとしてもっとも多いのは全体ではインターネットですが、10代に限定すると69%以上がSNSの投稿やニュースコンテンツを挙げています。

やはり投稿がすぐに反映されるSNSで「いち早く情報を得たい」と考える若者が多いということかもしれません。

詳しい調査結果は以下をご覧ください。

調査結果URL:https://marketing-rc.com/report/report-monthly-20170308.html

4. SNS広告についての調査

SNS広告を見る人は全体の7割、実際に買う人は3割

  • 調査機関:三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
  • リリース日: 2016年12月19日
  • 調査対象期間: 2016年11月24日~25日
  • 調査対象者:20歳以上のインターネット利用者520名

SNSに表示される広告をクリックしたり見たりするという人が全体の約7割、そのうちで商品購入などの経験がある人は、オンライン購入が約3割、オンライン以外での購入が約2割となっています。

いっぽう、広告を誤ってクリックしたことがある人は全体の7割以上で、広告によって投稿が見づらくなったり、興味のない広告が表示されたりすることを不快に感じる人もそれぞれ3割以上いるようです。また自分の閲覧履歴や位置情報などによって表示されるターゲティング広告に対しては、ネガティブなイメージを持つ人が半数を超えるようです。

詳しい調査結果は以下をご覧ください。

調査結果URL:http://www.caa.go.jp/adjustments/pdf/adjustments_index_8_170111_0003.pdf

主要SNSの広告配信に不快感を持つ人が1年で増加

  • 調査機関:株式会社ジャストシステム
  • リリース日: 2017年10月12日
  • 調査対象期間:2017年9月29日~10月1日
  • 調査対象者:15歳~69歳の男女1,100名

主要SNS広告に対して不快感を抱く人が多いというのは、2016年調査より増加傾向にあるようです。広告に不快感を持つことがあるSNSはTwitter・Facebookが6割以上、Instagram・LINEが5割強となっています。2017年9月時点でもっとも不快感を抱かれていないSNS広告のプラットフォームはLINEです。

詳しい調査結果は以下をご覧ください。

調査結果URL:https://marketing-rc.com/report/report-monthly-20171012.html

5. SNSに関するトラブルについての調査

SNS上の取引やSNS広告でトラブルに遭った事がある人は2割弱

  • 調査機関:三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
  • リリース日: 2016年12月19日
  • 調査対象期間: 2016年11月24日~25日
  • 調査対象者:20歳以上のインターネット利用者

SNS利用者のうち、8割以上の人はSNS広告をきっかけとした商品購入や、その他SNSを通じた取引に関するトラブルの経験は「特にない」と回答しています。少数ですが、トラブル事例として以下のようなことが挙げられます。

  • 広告をクリックしたら関係のないサイトに接続された
  • 購入した商品やサービスの金額品質数量への不満
  • 購入した商品やサービスが届かない提供されないというトラブル
  • 決済や送金に対する手数料が予想以上に割高だった

稀にですが、このようなトラブル例もあるということなので、10代などの若い人は特に気をつけましょう。

詳しい調査結果は以下をご覧ください。

調査結果URL:http://www.caa.go.jp/adjustments/pdf/adjustments_index_8_170111_0003.pdf

6. まとめ

10代、20代の若者を中心に拡大し続けるSNS。受動的なテレビや新聞と違い、SNSは「自分が見たいものを探して見る」という能動的なメディアなので、彼らにとってより好みやニーズに沿ったものを受信できるのが強みといえます。スマートフォンという手軽にいつでもアクセスできるデバイスの普及が、その成長の勢いに拍車をかけています。

また、今の10代20代が歳を重ねたとしても、「テレビよりネットの動画」「情報収集はSNSで」という傾向は継続される可能性もあります。こうした消費者の行動の変化の兆しを感じ取り、マーケティングに活かしていくことも重要です。そういった点で、若年層以外向けのサービスを提供している事業者にとっても、若い世代の動向は参考になるでしょう。

情報提供元:Gaiax
記事名:「【若年層のSNS利用状況関連の調査まとめ】 テレビは見ないがネット動画は毎日見る。若年層のネット利用状況とは?