日常のコミュニケーションツールとして浸透しているLINE。企業のマーケティング活用も増加傾向にある一方、複雑なサービス体系や高額な固定費から、二の足をふんだ法人担当者の方もいるでしょう。しかしこの度、法人向けLINEアカウントが統合され、料金もかなり手頃になりました。今回の記事は、新旧サービスの違いを解説します。

    ■目次

  1. 複数メニューが存在したLINEの法人向けアカウントが「LINE公式アカウント」として統合!
  2. 新LINE公式アカウントの料金体系は?
  3. 新LINE公式アカウントはいつから提供開始される?
  4. 結局、アカウント統合によって何が変わるの?
  5. まとめ

複数メニューが存在したLINEの法人向けアカウントが「LINE公式アカウント」として統合!

「LINE公式アカウント」や「LINE@」など、ソリューションごとに複数種類あった法人向けアカウントが、2018年12月より1つに統合され、「LINE公式アカウント」として生まれ変わりました。

これまでの法人向けアカウントは、「LINE公式アカウント」「API型公式アカウント」「LINE ビジネスコネクト」「LINEカスタマーコネクト」「LINE@」の5種類となっており、友だち上限数や一斉配信可否などの機能に違いがありました。

引用元:LINEアカウント2018年7月-2018年9月媒体資料

現在は5種類すべてが「LINE公式アカウント」に統合され、シンプルなサービス体系へ一新。誰でも作成できる「未承認アカウント」、所定の審査を通過した「認証済みアカウント」、認証済みアカウントの中で特に有料で特別な審査を通った「プレミアムアカウント」の3つの種別のみとなります。アカウントを作成したいけれど、どれが合っているのか分からないと悩むことも無くなりそうです。

引用元:LINE公式アカウント2018年12月-2019年3月媒体資料 

また、従来はアカウント種別で差があった「できること、できないこと」は、ほぼなくなります。具体例を挙げると、LINE@のフリープランではリッチメッセージやリッチメニューが使えない、属性別のターゲティング配信ができないなど機能に制限がありました。しかし、新プランではメッセージ種類の制限がなくなるなど、どのプランでも共通してできることが増えています。詳細は下表をご覧ください。

引用元:http://blog-at.line.me/archives/52626249.html

基本機能に加え、別途申し込みや審査が必要なオプション機能が用意されています。求めている機能を柔軟にカスタマイズすることで、より細やかなニーズに対応できる仕組みです。アカウント種別のシンプル化や機能の充実は朗報ですが、気になるのはやはり料金です。次項にて詳しく説明します。

引用元:LINE公式アカウント2018年12月-2019年3月媒体資料

新LINE公式アカウントの料金体系は?

無料から利用可能なLINE@に対して、LINE公式アカウントは最低でも月額250万円の利用料が必要であったため、利用したくても機能に制限のある無料アカウントを選択せざるを得ないこともあったと思います。

しかし、企業向けアカウントの統合に伴い、料金体系も大きく変更。比較的導入しやすい価格となります。

引用元:LINE公式アカウント2018年12月-2019年3月媒体資料

基本的な料金体系は、「アカウント種別ごとの月額固定費+メッセージの配信通数に応じた従量課金」となります。無料で送れるメッセージ数を超えた場合は従量課金制となり、超過通数によって月額固定費に加算されます。

この点は統合前とあまり差異がないように見受けられますが、最低月額固定費が大幅に下がったことが大きな特徴です。

前述の通り、従来は数百万円から数千万円もの月額利用料が設定されていましたが、新プランへ移行したことで固定月額利用料は最大でも15,000円で利用可能になりました。利用状況により月単位でダウングレードなどのプラン変更も可能です。

スタンダードプランの場合の従量課金額

メッセージ配信数に応じた従量課金学について、スタンダードプランの場合の料金表をご紹介します。

無料メッセージ上限となる45,001通目より、下表の通り従量課金額が設定されています。多く送るほど1通あたりの単価は安くなります。

引用元:LINE公式アカウント2018年12月-2019年3月媒体資料

フリープランは従量課金という料金設定自体がないため、無料メッセージを1,000通送った場合は翌月まで送信できません。ライトプランは、送れば送るほどお得という料金設定ではなく、追加1通あたり5円と従量料金は固定されています。以下は、無料通数を超過した場合に具体的にいくらかかるのかをプランごとに試算した図です。同じ1,000通でも月や年単位で考えると、従量課金料金に大きな差が生じます。

引用元:http://blog-at.line.me/archives/52626249.html

関連記事:【2018年度】LINE@とLINE公式アカウントの違い・特徴・機能まとめ

新LINE公式アカウントはいつから提供開始される?

2018年10月1日より、新LINE公式アカウントの新規開設に必要な審査の受付を開始しました。審査通過後、2018年12月3日より公式アカウントの開設が始まります。では、既に旧アカウントを利用している企業は、今後どのような流れでサービスを移行するのでしょうか。

すでにLINE公式アカウントやLINE@を使っている企業は2019年春~夏までに新サービスへ移行

引用元:https://www.linebiz.com/lineat_migration/

2019年春から移行期限となる夏頃までに、新サービスへの移行が完了することが予定されています。新プランへ強制的に移行されることはなく、ユーザー側での操作が必要となります。移行完了までは旧プランにてアカウントの利用が可能ですが、2019年夏頃以降は新旧混合ではなく新プランのみの提供となります。

なお、移行前の旧プランにて利用中であっても、移行期間中に管理画面などのインターフェースが新サービスのものへ変更になります。しかし、移行費用がかかる、友だちが引き継がれない、ランダムIDが変わる、認証済みアカウントの再審査が必要ということは一切ありません。

新サービスへの移行に伴い、廃止や休止する機能はありますが、円滑な移行手続きとなるようサービス統合についての資料が豊富に用意されています。よくある質問などに目を通すとイメージが湧きやすいかもしれません。

結局、アカウント統合によって何が変わるの?

5つあった企業向けアカウントは、新プランに統合され何が大きく変わったのでしょうか。あらためておさらいしてみましょう。

1.機能のアップデート

レポート機能の拡充

企業アカウントだからこそ欲しかったレポート機能が拡充します。具体的には、メッセージ配信数やクリック数を数値化したメッセージレポート、友だちの増減を分析できる友だち数レポート、タイムライン投稿に対するユーザーのインプレッション数やクリック数などのタイムラインレポートが挙げられます。対象顧客や潜在的なニーズを把握しやすくなり、より求められるものとマッチする施策を実施可能となります。

複数人とのチャット機能

LINE@でのみ利用できたユーザーとの1:1トークが、すべてのアカウントで利用可能になります。さらには、複数のユーザーグループとチャットができる「1:複数」も実現。双方向のコミュニケーションがより円滑になりそうです。

全プランに全てのサービスを標準装備

上位アカウントでしか使えなかったリッチメニューやビデオメッセージ、特定のターゲットに宛てるセグメント配信などが全てのプランで利用可能になります。

2.パートナーの拡充

これまでも運用代行や開発支援はありましたが、提供会社をより簡単に見つけられるようになる予定です。また、サポートがより受けやすくなるようパートナーの拡充が予定されています。

3.料金プランの改定

料金の高さから手が届かなかった企業も導入しやすい料金体系へ変更となりました。また、5つあった企業向けアカウント別に定められた複雑な料金体系が、シンプルで分かりやすい料金体系へ生まれ変わりました。

補足:メッセージのカウント方法について

これまでは、1吹き出しが1メッセージとしてカウントされていました。例えば、3つの吹き出し(テキスト、スタンプ、画像など)を使うと3通×有効友だち数が送信数として計算されていたのです。

しかし新プランでは、1回の配信で3吹き出しまでは1メッセージとしてカウントする方法へ変更となっています。

まとめ

LINEの日本国内の月間アクティブユーザーは実に7,600万人。その内、毎日利用しているユーザーは85%に上ります。生活のインフラとして定着しつつあり、ビジネスでの活用が期待されます。今回の企業向けアカウント統合とそれに伴うサービスの変更は、企業のLINE導入の追い風となるのではと注目されています。今後もビジネススタイルに合わせた新機能の追加やアップデートが行われるとみられ、動向から目が離せません。

情報提供元:Gaiax
記事名:「【2019年最新版】LINEの企業向けアカウント統合に関する情報まとめ!LINE@も統合へ