現場からの声を受け、総務省は原則として人口30万人以上の消防本部にしか認めていなかった消防無線の署活系の人口制限を撤廃。すべての消防本部に対して、申請すれば免許する方針に切り替えました。そのため、かつては大都市にしか配備されていなかった署活系が、全国各地で使用できることになり、その数は全国で増加中です。

消防署活系無線は全17波をスキャン

消防無線の署活系は、災害現場で隊員間の連絡を担う通信系です。そのため、災害現場に近づいて受信することになります。街中でサイレンが聞こえてきてから周波数を合わせても、決して遅くはありません。

また、周波数が分からなくても、署活系の割当て全17チャンネルをサーチすれば、すぐに判明するでしょう。消防署活系の割当て周波数は466.3500~466.5500MHz(12.5kHzステップ)の全17波です。

A「東大隊長命令、桜町中隊は要救助者の検索にあたれ」
B「桜町中隊長、了解」
C「神明中隊長から東大隊長」
A「神明中隊長どうぞ」
C「火点2階崩落危険あり。どうぞ」
A「東大隊長、了解。東大隊長から活動方針、火点2階に崩落危険、活動にあっては十分注意せよ」

消防署活系無線が受信できるチャンス

消防無線では、隊員の配置や役割を細かく指示したり、現場の状況を報告するのに署活系を活用しています。緊迫した状況下では統制された通話が受信できますが、隊員同士の熱いぶつかり合いが聞こえてくることもあるのです。

A「タナカ、おまえ今どこにいる?」
B「2階で要救助者検索しています」
A「おい、2階崩落危険は聞いてなかったか?」
B「あ、いえ、ちょっと聞いてないっす…」
A「ちゃんと無線聞けよ! 2階から退避!!」
B「すみません、退避します」

署活系を受信できるチャンスは他にもあり、訓練や演習でも使用。消防署や訓練場の近くでは、訓練の様子が署活系で受信できます。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「消防署活系無線で隊員同士の熱いぶつかり合い?