神出鬼没な悪意に満ちたナゾの電波が、街には蔓延しています。それは他人のプライバシーを暴く「盗聴電波」です。盗聴電波は、他人のプライバシーを暴くために仕掛けられた、電波発信機からの電波。この盗聴電波の周波数や受信できる範囲などにを詳しく見ていきましょう。

盗聴電波の送信電力は絞られている

1990年代半ば、UHF帯を使った盗聴器が爆発的に売れました。その当時、今では普及している小型のICレコーダーや擬装カメラといった情報収集機器が、まだ存在していなかったことが理由です。

UHF帯の周波数は3波あり、A・B・Cのチャンネル名が付いていました。「Ach=398.605MHz/Bch=399.455MHz/Cch=399.030MHz」です。これは盗聴器を仕掛けた人間が、会話を盗み聞くための盗聴波専用受信機のチャンネル切り替えに対応するためです。

室内で行われる会話を電波に乗せて飛ばす盗聴器。その盗聴電波は仕掛けた本人だけではなく、周囲一帯に飛んでいきます。誰かに受信されて、発見される恐れがあるので、盗聴電波の送信電力は音質を維持できるレベルに絞られています。

盗聴電波の周波数はUHF帯3波に目星

盗聴器を仕掛けた場所に大きな影響を受けますが、盗聴電波は住宅街の一軒家では200~500mくらい、マンションやオフィスビルの上階に仕掛けられていると1km以上飛んで行くこともあるのです。

盗聴電波の周波数はUHF帯3波の目星が付いているので、受信マニアが発見することは難しいことではありません。盗聴電波が街にあふれていた2000年代には、盗聴電波の発見を専門にする受信マニアもいたほどです。

盗聴電波を専門にする受信マニアは、街中で盗聴電波をキャッチしては、電波の入感状態を頼りに盗聴器が仕掛けられている発信源の建物を探り当てることを目的としていました。(文/さとうひとし)

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「盗聴電波を探してスキャンする周波数は3つだけ