警察組織の「警察庁」と「警視庁」の違いは、所管が国と東京都の違いであることを知っている人は多いでしょう。警察庁と警視庁は同じ「庁」ですが全く異なる組織であり、その役割は明確に分かれています。警視庁は東京都を管轄とする地方の行政機関で、そのポジションは大阪府警察本部や福岡県警察本部と同じです。

東京都の警察組織だけ警視庁と呼ぶ

警視庁は、実際の警察活動、交通取り締まりや犯罪捜査&被疑者の逮捕を行う組織になります。そして交番勤務のお巡りさんたちが所属する組織でもあります。

なぜ、東京都の警察組織だけが東京都警察本部ではなく、警視庁と呼ばれるのでしょうか? その理由は、かつての警視庁は国の官庁だったからです。

1874年(明治7年)に政府は近代的な警察制度として、国家警察と地方警察、そして首都警察を設立しました。この首都警察が警視庁(東京警視庁)です。

内務省管轄だった警視庁が解体された

地方警察は知事の管理下に置かれましたが、警視庁は内務省の管轄でした。また、当時の知事は国から任命されていたので、地方警察も国からの影響を強く受けていたのです。

戦後に、日本を統治した連合国軍総司令部(GHQ)は、国が警察組織を一元化していることを懸念して分離を図ります。こうして1948年(昭和23年)に内務省管轄の警視庁は解体されます。

ここで新たな東京都の警察組織を立ち上げましたが、その際に警視庁の名前を残したいという意見が多く、現在に至っています。これが警視庁が中央省庁ではないのに「庁」がついている経緯です。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「なぜ警視庁は東京都の警察組織で「庁」が付く?