報道ヘリを使うような大事件や大事故の発生を知ることが多々あるマスコミ無線が「VHF帯放送連絡波」です。VHF帯放送連絡波の最大の特徴は、聞けるデジタル無線であること。アイコム「IC-R30」や、エーオーアール「AR-DV10」といったデジタル受信機で受信可能です。ただし、IC-R30には問題が2つあります。

VHF帯放送連絡波168MHz帯と166MHz帯

VHF帯放送連絡波の受信におけるIC-R30の1つめの問題は、VHF帯放送連絡波にかけられた秘話コードをが自動解析できないこと。交信内容を聞くには、事前に秘話コードを知っておく必要があります。

VHF帯放送連絡波受信でのIC-R30のもう1つの問題が、NHKの電波を音声化できないことです。これは秘話コードとは別の、ホワイトニングコードの種類に対応していないことによります。

VHF帯放送連絡波の割当て周波数は、168MHz帯と166MHz帯にあります。168MHz帯は「高群」と呼ばれ、携帯基地局側が使用する周波数帯です。

VHF帯放送連絡波の高群のアンテナ

VHF帯放送連絡波の高群のアンテナは見晴らしの良い高所に建っている放送用の電波塔に併設されていることも多く、送信出力も10~50Wと強力。街中のハンディ機でもしっかりと受信でき、ビルの影や店舗内でも受信できることがあります。

一方の166MHz帯のVHF帯放送連絡波の割当て周波数は「低群」と呼ばれ、168MHz帯から2MHz下にある周波数です。この周波数を報道ヘリや中継車、手持ちの携帯局が使用します。

高群の電波に低群の音声を乗せる折り返しがあれば、高群だけの受信で双方の通話が聞こえますが、在京キー局は折り返しをしないようで、現場の声を聞くためには低群の受信が必要です。

また、折り返しをしている一部の関西準キー局などでも、現場でハンディ機同士の通話が低群で行われることがあります。現場での通話を聞き逃さないためにも、VHF帯放送連絡波は高群と低群をまとめてスキャンして下さい。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「マスコミ無線の主力「VHF帯放送連絡波」聞き方