
デジタル化した消防無線に代わって、街の情報が得られるのが「バス無線」です。とくに路線バスの無線ではラジオの交通情報では流れない、街の交通情報が流れます。ただし、路線バスの無線は全国的にアナログ無線の運用を止めています。一方で、アナログ波の運用を継続しているバス会社もあるのです。
アナログで交信が頻繁な路線バス無線
デジタル化の対象外だったバス無線ですが、無線機の旧スプリアス規制などを機会に無線設備を一新。IP無線へと移行しています。IP無線は携帯電話網を使うため、受信はできません。
バス無線は、市営バスや大手バス会社からIP無線化が急速に進んでいます。とはいえ、アナログ波の運用を継続しているバス会社もあり、街や路線によっては受信できるようです。
アナログ波で頻繁に交信している路線バスといえば、首都圏主要部と東京&成田の両国際空港を結ぶ、東京空港交通のリムジンバス無線(398.9500MHz)でしょう。
路線としている首都高速道路の渋滞情報と、それに伴う迂回路の指示が手に取るように聞こえてきます。アナログ運用を続けてほしい、聞き応えのあるバス無線です。
混雑する道路がわかる観光バス無線
観光事業の再開によって、観光バスの専用波、149.31MHzが息を吹き返してきました。観光バスの無線は、2台以上で運行する車体間通信が必要な場合に使われます。観光地周辺や高速道路で受信可能です。
1号車「こちら1号車、歌舞伎座前、お客さま降車完了。事故でも起きたのかな、晴海通りちっとも動かないよ。そっちを待たないで、先に駐車場に入って休んどきますわ。後からゆっくり来て」
観光バスの無線は、観光地周辺で受信できます。バスの運転手同士の交信なので、交信口調はざっくばらんな感じで、時には方言が聞こえることもあります。
観光バス無線は移動局からの電波なので、あまり遠くまで飛ばず、狭い地域での受信になりますが、混雑する道路の情報が聞こえてきます。(文/さとうひとし)
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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「首都高の渋滞と迂回路の指示が聞こえるバス無線」