マスコミ無線の主用波、VHF帯放送連絡波はデジタル無線ですが、対応受信機で聞くことができます。そしてUHF帯放送連絡波と番組中継波は、従来のアナログ無線のままです。そして何より、基地局の電波が強いので街中でも聞けるのが、これらマスコミ無線の魅力です。まだアナログ無線で聞けるマスコミ無線を見ていきましょう。

UHF帯放送連絡波の使用頻度は低下傾向

マスコミ無線で、デジタル無線のVHF帯放送連絡波に対して、UHF帯放送連絡波はアナログ波です。高群が469MHz帯、低群は459MHz帯に割当てがあります。

UHF帯放送連絡波は半複信式で運用されますが、地方局では低群の単信式で運用することもあるのです。周波数を探す際は高群と低群をスキャンします。

基地局のアンテナは放送用の電波塔に併設され、高出力で送信されているので、街中でも受信できるでしょう。ただし、使用頻度は以前に比べて低下しているように見えます。

VHF帯放送連絡波のような緊張感のある交信は、UHF帯放送連絡波では少ないのですが、大きな事案であればVHF帯放送連絡波と同様に使われます。また、送り返しの送信など、イレギュラーな使い方も増えているようです。

番組中継波に現場の音声を乗せて生中継

アナログ波で聞けるもう1つのマスコミ無線に「番組中継波」があります。これは文字通り、番組の中継用に使う無線で、VHF帯とUHF帯に割当てがあります。

番組中継波はテレビ局にも周波数が割当てられていますが、音声だけを送信すればいいラジオ局が主に使用。とくにラジオカーと呼ばれる中継車が使っています。

生中継の現場にラジオカーを派遣し、現場の音声を番組中継波に乗せてラジオ局に送信するのです。電波は生中継の前後にも出ており、番組進行の舞台裏が聞こえてきます。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「まだアナログで聞けるマスコミ無線は何がある?