『太陽に吠えろ!』の藤堂警部が係長なのは、階級と役職がアンバランス。しかし、同じ石原裕次郎が演じた『西部警察』の木暮謙三も警視であるにもかかわらず、西部署の捜査課長という設定でした。警視なら署長か副署長というのが通常なのですが…。血気盛んな大門軍団を見守るには、直属上司の課長でなければならなかったのでしょう。

警察官の階級と役職には密接な関係

このように、警察官の階級と役職には密接な関係があります。巡査部長なら警察本部や警察署の主任、警部補で警視庁の主任や、警察本部の係長に就任できます。しかし、多くの警察官の出世はここまでです。

さらに昇進して警部に任官されれば管理職となり、警察庁や警視庁で係長、警察本部で課長補佐といったところ。大きな警察署なら課長で、小規模の警察署では次長のポストが待っています。

このように階級が同じでも勤務先の規模によって、役職に差が出てきます。上位は警察庁で、本部も警視庁や大規模な本部と他県の本部では違ってきます。これは管内の警察署にもいえることです。

警察官の階級と本庁と所轄の役職の差

本部のトップ、本部長になるには警視監や警視長まで昇進している必要があります。警察署の署長であれば、警察署の規模によって違いが出るのですが、大規模署は警視正、小さな署であれば警視でも就任することが可能です。

警察官の階級の違いや本庁と所轄の役職の違いを明確に描いた『踊る大捜査線』の室井慎次は、警視監で警察庁の審議官でした。事実に即した階級と役職なのです。

ちなみに、室井慎次の警視監は警察官の9階級で警視総監に次ぐ上から2番目。主要な道府県警察本部長を務めるなど、全国で40名ほどしかいない超エリート階級なのでした。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「刑事ドラマに見る階級と役職の深くて複雑な関係