
警察署の広報担当者は副署長や次長クラスで、所轄署に設けられた捜査本部には警視庁本部の捜査幹部もやって来ます。記者たちはこれらの幹部たちから話を聞くのです。基本的な情報である、事件の発生日時や住所、通報内容、警察官が到着した時の状況や負傷者の有無などは当然話しますし、捜査の進捗なども、必要な範囲で教えてくれます。
犯人の捜査情報の内情に触れてくる
そして、記者たちは“ネタ元”と呼ぶ、親しい捜査幹部や捜査員に取材をして、もっと詳しい情報を得ます。これには2種類あり、捜査幹部が“半ば公式”に話す場合と、捜査員が情報漏洩的に話すケースに分けられます。
この“半ば公式”というのは、「夜討ち朝駆け」と呼ばれる、捜査幹部の帰宅時を狙って行う典型的な取材。捜査幹部もそれを承知しており、自宅の近くで取材を受けます。
双方とも暗黙の了解で録音はなし。単なる立ち話としています。犯人が改札を通ったところまでわかっていたら「駅から先は?」と記者が問うと、捜査幹部は「その先もカメラで追えてるよ。品川で新幹線に乗り換えてるね」と、捜査情報の内情に触れてくるのです。
犯人逮捕をカメラマンの交代で聞く
しかし、誰もが簡単に教えてくれるわけではなく、「逮捕はいつですか」と聞いても「捜査の核心については言えない」となります。そこで、捜査幹部がヒントを出しやすいような質問をするのです。
記者は「今夜中に逮捕ですか?」とは聞かず、「警察署で連行を待っているカメラマンを交代させた方がいいですかね?」と犯人逮捕のタイミングを聞きます。
犯人逮捕がない場合、捜査幹部は「もう帰らせてあげなよ」と応えるし、今夜中に逮捕の見通しがあれば、「交代させた方がいいんじゃないか」と、カメラマンの配置は継続した方がいいと暗に教えてくれるのです。(文/元事件記者)
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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「犯人逮捕のタイミングを事件記者が聞き出すテク」