テレビ局が使う無線の主力は「VHF帯放送連絡波」です。その最大の特徴は、デジタル受信機で聞けるデジタル無線だということです。ざっくりといえば、復調可能なデジタル無線の筆頭、デジタル簡易無線と同じ、4値FSKと呼ばれる変調方式を採用しているからです。テレビ局が使うデジタル無線を聞く方法を見ていきましょう。
VHF帯放送連絡波が聞ける受信モード
無線設備の標準的な仕様について、電波産業会(ARI B)が策定する標準規格があります。その標準規格上は、デジタル簡易無線の規格「STD-T98」と、VHF帯放送連絡波の規格「STD-B54」は異なるものです。
ところが、両者の根幹部分は似たような構造になっています。それゆえ、デジタル受信機でデジタル簡易無線が聞けるように、VHF帯放送連絡波も聞けるわけです。
エーオーアールのデジタル受信機では、受信モードをデジタル簡易無線を受信する際と同じ、D-CRモードに設定して復調。アイコムの「IC-R30」で受信する際は、デジタル簡易無線で使うDCRモードとは別のNXDN-VNモードにセットします。
VHF帯放送連絡波をDJ-X100で受信する
アルインコの最新デジタル受信機「DJ-X100」でテレビ局のVHF帯放送連絡波を受信するには、規格名から取ったと思われるT-102/B-54モードに設定するのです。
ただ、受信できて聞けるとはいっても問題点が2点あります。その一つが、VHF帯放送連絡波の大多数には、秘話コードがかかっていることです。
また、4値FSKの無線には秘話コードとは別に、ホワイトニングコードというグループコードのようなものが存在。これらが合致しなければ音声が出ません。
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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「テレビ局のVHF帯放送連絡波の受信には2つ問題点」