周波数は無限にあるイメージですが、VHF帯やUHF帯の扱いやすい周波数は限られています。総務省は周波数の有効利用のため、デジタル化を推進していますが、1990年代から周波数は逼迫していました。無線局の使用者それぞれに、専用の周波数を割当てることができないのです。そこで考え出されたシステムが「MCA方式」です。
MCA方式は複数の使用者が共同で使う
MCA方式は、無関係な複数の使用者が専用に割当てられた複数のチャンネルを共同で使うシステム。当然、混信しないように工夫されており、通話中のチャンネルは別の使用者が使えないようになっています。
MCA方式で有名なのが、1990年代から運用されているデジタルMCA無線です。専用回線を経由することで、全国レベルでの遠距離通話が可能であり、電話回線と接続して携帯電話との通話ができるなど、利便性を高めています。
デジタルMCA無線は一般業種から防災無線まで、多種多様な使用者がいますが、デジタル波のため聞くことはできません。
代表的なMCA方式ならコードレスホン
受信できるMCA無線は、業務無線の集合体である地域振興無線で、アナログ波はもちろん、デジタル対応機であればデジタル波も聞けます。
また、代表的なMCA方式といえば1990年代に大ブームを引き起こしたコードレスホンです。当時は、日本全国で昼夜を問わず、ひっきりなしにプライベートな会話が聞こえてきたものです。
しかし、現在は“家電(いえでん)”であるコードレスホンを使う人が激減。コードレスホンを使用しているのは、高齢者や個人経営の飲食店などばかりです。
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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「代表的なMCA方式の無線といえばコードレスホン」