よく聞こえるアンテナは「感度の良いアンテナ」と呼ばれますが、アンテナの性能はどのような基準で測っているのでしょうか。アンテナのカタログに、dBiという単位で記されるゲイン(利得)がメジャーです。そして、もう一つアンテナの性能の基準となるが「SWR」です。SWRについて詳しく見ていきましょう。

SWRはアマチュア無線でよく使われる

アンテナはゲインの数値が大きくなれば、とりあえずは高性能になります。ここで“とりあえず”としたのは、ゲインには電波が飛ぶ方向などの要素が加わってくるためです。

もう一つが、SWR(Standing Wave Ratio/定在波比)で、アマチュア無線ではよく使われる基準になっています。SWRは特定の周波数でアンテナから、どれだけ効率良く電波が出入りできるのかを示した数値です。

アンテナに入力された電力が、100%放出されるのが最高値の「1」でロスの無い状態を示します。周波数とアンテナがマッチング(同調)しないとSWRの数値は大きくなり、電力のロスが増加していくのです。

SWRは特定の周波数での送受信効率

送信では、SWR3の効率75%までが実用域とされていますが、受信ではそこまでシビアになる必要はありません。SWR5の55.60%でも受信感度は良好です。

SWRは、特定の周波数での送受信効率を示すもので、SWRの数値が低い帯域は感度が良いことになります。しかし、すべての周波数帯に高感度で対応するアンテナは存在せず、目的とする周波数帯にマッチングするように設計されています。

そのため同じような長さのアンテナでも、製品によって得意とする周波数帯が違ってくるのです。SWRをグラフ化することで、受信ターゲットとしている周波数帯の広さや、スペックには記されていない感度の高い帯域が分かります。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「アンテナが得意な周波数帯がわかる「SWR」とは