エアーバンドには、管制官とパイロットが交信する航空管制用の周波数のほかに、航空会社が自社のパイロットと連絡するための周波数が各社に割当てられています。これが会社内の無線「カンパニーラジオ」です。日本語が多く飛び交う航空会社の社内連絡波であるカンパニーラジオを詳しく見ていきましょう。

カンパニーラジオの周波数割り当て

カンパニーラジオの周波数は、民間機の管制用と同じ118~136MHzが使われます。国内大手航空会社の2社、日本航空と全日本空輸には複数の割当て周波数があり、用途によって2つに分けられています。

1つは筑波山(茨城県)や六甲山(兵庫県)などの山頂にアンテナを設置して、航空路を広い範囲でカバーする「エンルート」で、もう1つが、空港周辺に設置したアンテナで、離着陸機との連絡に使う「ターミナル」や「エアポート」と呼ばれるものです。

その他の地域航空会社などには、大手2社のような明確な使い分けはなく、必要に応じて複数の周波数が割当てられています。LCC(格安航空会社)などの新たに設立された航空会社には、専用の割当てはありません。

この場合、親会社のカンパニーラジオの周波数を使用することが多くなります。例えば、ピーチ・アビエーションは全日本空輸、ジェットスタージャパンは日本航空のカンパニーラジオの周波数を使用しているのです。

カンパニーラジオとして専用の周波数

独立系の航空会社でも、グランドハンドリングの業務委託を行っている場合には、委託先のカンパニーラジオを使って運用する場合もあります。

2023年8月に、新潟~札幌丘珠間で運航をスタートさせたトキエアは、札幌丘珠空港でのグランドハンドリング業務を、北海道エアシステムに委託しているため、北海道エアシステムと同じ周波数(130.175MHz)で必要に応じて交信するのです。

また、日本国内の空港に乗り入れる海外の航空会社(一部の国内航空会社も含む)のために、日本空港無線サービスが8つの空港で無線サービスを展開し、カンパニーラジオとして専用の周波数が割当てられています。

これらの周波数は、多くの場合「空港名+オペレーション」のコールサインで運用されており、交信内容はカンパニーラジオそのものです。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「カンパニーラジオは日本語がよく聞ける航空無線