
航空会社の社内連絡波である「カンパニーラジオ」も、エアーバンドの1ジャンル。カンパニーラジオは管制官との交信とは異なり、英語をベースにした専門用語が頻出するものの、日本語の交信が基本です。エアーバンドを聞いてみたいけど英語がちょっと…、というビギナーはカンパニーラジオから聞いてみましょう。
カンパニーラジオの交信は減っている
今まで音声で行っていた多くの伝達事項が、データ通信でまかなえるようになり、カンパニーラジオでの交信が減ってきているのは事実です。しかし、音声での交信は即時性があるため、いざという時は無線を使用します。交信数が減ったことで、イレギュラーな状況が分かりやすくなったのです。
パイロット「キャビンで急病人が発生です。シートナンバー36のCのヤマダ様。突然意識を失ったとのことで、ドクターコールを行ってます。状況としては以上です。救急車要請もあるかもしれません。引き続きこの周波数をモニターします」
地上部署「スカイエア関東FOC、了解しました。救急車の手配含めて続報ありましたら、こちらでもACARS(エーカーズ)でも結構ですので、すぐにお伝え下さい」
カンパニーラジオで社内のもめごと
こうした客室でのアクシデントはもちろん、社内でのもめごともカンパニーラジオで聞こえることもあります。日本語が飛び交う航空会社の社内連絡波ならではの交信も聞こえるのです。
パイロット「この便の出発を大幅に遅らせて、乗り遅れの乗客を待つってのは、会社の判断ってことでいいの?」
地上部署「はい、本日すべて満席で、積み残したお客様が乗る便がないという状況でして、待ってでも乗せるというのはこちらの判断です」
パイロット「で、この次の乗務はどうなるの?」
地上部署「えー、それについてのケアは…」
このような交信は少ないのですが、台風や豪雨などで空港の上空で着陸の順番待ちが発生したり、ゴーアラウンド(着陸復行)が頻発するような状況になると、カンパニーラジオで状況を確認する交信が増えてきます。
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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「カンパニーラジオで航空機のイレギュラーを把握」