鉄道会社ごとに特徴のある私鉄は列車無線にも個性が現れます。JRグループは、全国組織だった国鉄時代の通話方法をベースにして、ある程度共通化されているのに対し、私鉄は呼び出し方から通話の用語まで千差万別なのです。私鉄の列車無線の周波数や通信方式などについて詳しく見ていきましょう。

私鉄の列車無線は150MHz帯がメイン

私鉄の列車無線は、通話量も日常的には通話試験ぐらいしか行われない路線もあれば、毎正時に時報を流したり一斉通報を入れる路線もあります。地元の私鉄では当たり前の通話方法も、旅行先の私鉄では異なる通話方法が新鮮に感じるでしょう。

周波数は、JRが300/400MHz帯を使う一方、私鉄は150MHz帯がメインです。ローカル私鉄の中には、300MHz帯を使用する路線もありますが、こちらは少数派です。

また、新幹線の開業で並行在来線となってJRから分離された路線や、JRの不採算路線を地元が引き継いだ第3セクター方式の鉄道会社があります。これらの路線では、JR時代の列車無線システムを受け継いでいるため、JRのCタイプの3波を使用しています。

私鉄の列車無線は本数に比例して増加

通信方式もJRと同様に、輸送量が多い大手私鉄は列車本数に比例して通話も多くなることから、複信式や半複信式を採用。輸送量の少ない中小私鉄は単信式を使う傾向にあります。

私鉄でも列車無線は、複信式・半複信式では指令側周波数を受信するのが鉄則。電波が安定して強力なのはもちろん、Aタイプ・Bタイプと同様に列車側の音声を流す場合があるからです。

とはいえ、列車側の音声が流されず、指令側の一方的な通話になってしまうことも多々あります。それでも、JRと同様に復唱するので、ある程度の通話内容は把握可能です。(文/おだQ司令)

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「私鉄の列車無線は路線規模に応じたシステム採用