関東の大手私鉄や東京の地下鉄では、共通のデジタル列車無線の仕様を策定。この仕様書に基づいた列車無線はデジタル受信機では復調できません。一方で、中小私鉄で導入が進められているデジタル無線は、デジタル受信機で復調が可能な場合もあります。通話が受信できるデジタル無線は4値FSK方式です。

私鉄の列車無線にもデジタル化の波

デジタル化の波は、私鉄の列車無線も例外ではありません。JRではDタイプとして配備されていますが、私鉄でも関東の大手私鉄を中心にデジタル無線が導入されています。

関東の大手私鉄や東京の地下鉄では、「デジタル列車無線システム共通仕様書」を策定。車両に搭載する機器を少しでも減らすため、異なる無線機メーカーでも仕様を共通化して、1台の無線機で複雑な直通運転に対応しているのです。

しかしながら、この仕様書に基づいた列車無線はデジタル受信機では復調できません。π/4シフトQPSK方式を採用しているため、周波数を合わせても「ガー」や「ザー」という音にしかならないのです。

列車無線がデジタル化しても聞ける

その一方で、中小私鉄で導入が進められているデジタル無線は、デジタル受信機で復調が可能な場合もあります。通話が受信できるデジタル無線は4値FSK方式で、電波型式が「F1E」と表記されるものです。

4値FSK方式は、π/4シフトQPSK方式に比べて無線機器のコストが低いことから、厳しい予算でやりくりしなければならない中小私鉄で採用されています。例えば、箱根登山鉄道では2015年にデジタル無線を導入しています。

中小私鉄の中でも、早期にデジタル無線の使用を開始しました。国際的観光地である箱根を通る路線だけあって、通話量も豊富です。日中は1時間ごとに系列の乗り物を含めた運行状況が流されるので、デジタル無線の受信テストとして最適でしょう。(文/おだQ司令)

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「列車無線はデジタル化しても聞ける路線がある?