中小私鉄で導入が進められているデジタル無線は、デジタル受信機で復調が可能な場合もあります。通話が受信できるデジタル無線は4値FSK方式です。ただし、4値FSK方式を採用している阪堺電気鉄道や北九州高速鉄道ですが、アイコムの「IC-R30」やエーオーアールの「AR-DV10」では復調できません。

DJ-X100は電波の発信者名を表示可能

これは受信機のホワイトニングコード(WC)が対応していないのが原因です。しかし、デジタル受信機第2世代となるアルインコの「DJ-X100」は、WCを瞬時に解析して対応。音声に復調します。

また、DJ-X100は受信した電波の発信者名を表示可能。指令側では「伊豆箱根沼田」、列車側では「伊豆箱根12」など無線機固有の呼出名称(コールサイン)で表示されます。

なお、DJ-X100は関東大手私鉄で貴重なアナログ波の京王電鉄でも発信者名を表示します。スケルチタイプを「MSK」に設定すると、指令側周波数で通話がない時に流れる「ピーギャラー」という空線信号を除去できるだけでなく、通話相手の車両番号(列車番号ではない)も表示されるのです。

DJ-X100はアナログ列車無線でも最強

「1762(上り方)」などと表示されるほか、一斉通話時には「各列車」と画面に現れます。DJ-X100はデジタル列車無線に限らず、アナログ列車無線でも最強の受信機といえるでしょう。

なお、ローカル私鉄で導入が進んでいるIP無線は、携帯電話網を活用した通信なので受信できません。列車無線のデジタル化といえば、かつては「デジタル化=受信不可」という公式が成り立っていました。

しかし現在では、方式が限られるとはいえデジタル無線に対応した受信機が登場しています。鉄道無線を受信する“聞き鉄”にとって、知識とテクニックを更新する時期といえるのです。(文/おだQ司令)

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「DJ-X100はデジタル&アナログ列車無線では最強