自らの身の危険を顧みず、要人の身辺警護の重責を担うのがセキュリティポリス、略して「SP(エスピー)」です。体を張って要人を守るVIP警護のスペシャリストは、それなりに身なりには気をつけなければならないため、スーツにネクタイは当たり前。ただし、エスピーはスーツのボタンはわざと外しています。
エスピーは警備部警護課に所属する
国内外の要人の警護を担うエスピーは、警視庁警備部警護課に所属する警官のこと。エスピーの所属する警護課は「警護管理係」が統括。内閣総理大臣を担当する警護第一係、衆参両院の議長、最高裁判所長および国務大臣を担当する警護第二係、来日した国賓を警護する警護第三係、その他の要人を対象とする警護第四係に分かれています。
なお、総理大臣官邸警備隊という部隊も存在しますが、こちらの任務は人ではなく官邸警備。エスピーとは呼ばれません。また、天皇皇后両陛下や皇族の警護は皇宮護衛官が担当。所属は警視庁の付属機関である皇宮警察本部になります。
警視庁警備部にも「警衛課」という皇室対象の部署は設けられていますが、任務は皇族の移動の際の安全確保や交通規制であり、身辺警護ではありません。
エスピーはジャケットのボタンを外す
エスピーは必然的に要人の側にいるため、身なりには気をつける必要があります。服装はスーツにネクタイは当たり前で、髪型もとくに規定はないものの七三分けが主流です。現在は坊主やスポーツ刈りも増えましたが、長髪姿は見かけないでしょう。
そして、要人警護のエスピーはスーツのジャケットのボタンをあえて外しているのが普通。これは、いざというときにすばやく腰や脇に携帯している装備品を取り出すためです。
国内外の要人を守る警護車に求められるのは堅固な車体。警視庁や神奈川県警には警護車として「日産シーマ」が導入されています。また、エスピーには女性課員もいますが、その割合は低め。全警察官における女性の比率が3割を超えているにもかかわらず、エスピーでは5%程度です。
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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「SP(エスピー)がスーツのボタンを留めない理由」