全世界の航空機の動きが、リアルタイムで見られる「Flightradar24」。Flightradar24にはPCのブラウザで見るWeb版と、スマホやタブレット用のアプリ版があり、どちらも基本的な機能は無料で使用可能です。はたして、Flightradar24は世界中の航空機の動きをどのように収集しているのでしょうか。

Flightradar24はADS-B情報を利用する

Flightradar24は、航空機のリアルタイムでの位置や運航情報を即座に表示するために、ADS-B(Automatic Dependent Surveillance-Broadcast)という航空機運航のシステムを利用しています。

現在、航空管制で使用されている航空機の位置を把握するレーダーは、地上から送信された質問電波を航空機が受信し、航空機から送信された応答電波を地上で受信して位置を表示しています。

空港に行くと、大きなアンテナがクルクル回っているのを見かけますが、これが航空管制で使われているレーダーです。地上のレーダーが向いていた方位と、質問電波に対する返答までの時間で距離を計測します。

Flightradar24が受信データを集める

そして、航空機が発した応答電波に含まれるDBC(Discrete Beacon Code/スコーク)で航空機を識別し、気圧高度計の情報で高度を判別。速度は前回の測位との移動距離と経過時間から割り出して、管制官が見るレーダー画面に表示されます。

これに対してADS-Bは、航空機が質問電波とは無関係に自機の位置や高度といった多種多様な情報を、1090MHzで定期的に送信するもの。この電波を地上の管制機関や付近を飛行する他の航空機が受信し、安全運航を確保するために使用しているのです。

この情報は暗号化されていないため、地上で受信したデータをPCで処理することで、文字情報として可視化できます。そして、Flightradar24は、ADS-Bの受信データを世界各地から集め、Webやアプリ上で表示したり、データを蓄積しているサービスなのです。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「Flightradar24は世界の航空機情報をどう収集?