「海上保安庁」の航空機が、羽田空港の滑走路上で日本航空516便と衝突したニュースに驚いた人は多いはず。ここで気になるのが海上保安庁の役割です。海上の治安活動といえば「海上自衛隊」のほか、警察には「水上警察」もあります。海上保安庁と水上警察の役割はどのように違うのでしょうか。

海上保安庁と警察の違いは管轄にある

海上の治安活動といえば「海上保安庁」と「海上自衛隊」を思い浮かべる人が多いでしょう。海上自衛隊は防衛省の管轄で、逮捕権がありません。対して海上保安庁は国土交通省の外局で、海難者の救助や航行の安全管理に加え、逮捕権も持っています。

このほか、警察で水上での治安活動を任務とするのが「水上警察」です。海上保安庁と水上警察との大きな違いは管轄にあります。海上保安庁は日本の領海のみならず、排他的水域を超えた公海でも活動が可能です。

水上警察は領海のみに限定され、実際は港湾や内海といった狭い範囲での活動が主となります。しかも、日本は地方警察制を採用しているため、都道府県の管轄を越えた業務は原則として行えません。

海上保安庁の任務には領海警備もある

ちなみに水上警察署を設けているのは、神奈川県警横浜水上警察署、大阪府警大阪水上警察署、兵庫県警神戸水上警察署の3署のみ。かつて存在した警視庁の東京水上警察署も、2008年に東京湾岸署の水上安全課になりました。

水上警察の具体的な任務は、密漁などの漁業関連法違反の取り締まり、水難事故の救助や転落などにおける被害者の捜索、密輸事件の捜査など。水上警察といっても、担当範囲は水陸両面に渡ります。

例えば、神奈川県警横浜水上警察署は横浜の海の玄関口である大さん橋の袂に建っており、海に面しているためすぐに警備艇で捜査が可能。地上は赤レンガ倉庫など付近一帯を担当しています。

なお、海上保安庁と海上自衛隊には領海警備の任務もありますが、国外の艦艇に対応するのは海上自衛隊。船舶に対する任務は海上保安庁が担っています。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「海上保安庁は海上自衛隊や警察と何が違うのか?