警察組織の中でも「自動車警ら隊」は所轄の枠を越えて、全域を警らするいわば職務質問のプロといえる存在です。そんな警視庁地域部自動車警ら隊に所属していた元警察官に、職務質問を短時間で切り抜けるテクニックを聞きました。しつこい職務質問を回避する方法はあるのか…ウラ事情を見ていきましょう。

職務質問する人を決めるマニュアル

そもそも職務質問をする人を決める基準は何かあるのでしょうか? 「基本的には、挙動が不審な人に行います。例えば、警察官と目が合った瞬間に視線を逸らす人、方向を変えてしまう人などです。だいたいは、身なりや目の動きで判断します」といいます。

ミュージシャン風の人は職務質問されやすいといわれますが、職質する人についてのマニュアルはあるのでしょうか? 「ありますが、あまり役に立ちません。“ミュージシャン風”というのは、あくまで表現上のこと」と話します。

「長髪や金髪で頬がこけていてやせているなどは、薬物所持が疑われるためなのです。同様にクルマの場合も“高級車なのに汚い”など、だらしがない車両は対象になりやすい」というのです。

職務質問は相手の不審点を探る作業

なぜなら「覚せい剤などで心が乱れている、または窃盗車といった嫌疑がかけられるからです。自分のクルマじゃないので愛着が無くて汚したままにしたり、窃盗車で整備に出せないなどの理由が考えられる」といいます。

職務質問を短時間で切り抜けるテクニックはあるのでしょうか? 「職務質問とは質問をしていくことで相手の不審点を探って行く作業です。まず“どちらに行かれますか?”という質問をして、目的地と進行方向が合っているかなどを調べます」と話します。

「答えが曖昧だったり方向が違ったりすると、住居侵入なども考えられるでしょう。自ら隊は必ず警察官2名で職務質問をするので、怪しいとなれば1名が質問している間に、もう1名が免許証などから身元を照会します」というのが職務質問の基本です。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「ミュージシャン風の人がよく職務質問される理由