「胴体がなくとも首さえあれば何とかなるもの」と話すのは、元科学警察研究所の検死技官。死体がバラバラであった場合、警察がまず首を捜すのは頭蓋骨にこそ、最も重要な個人識別要素が詰まっているからです。科警研が発見された変死体から生前の顔つきを蘇らせる復顔法を見ていきましょう。

科警研の検視技官が男女を見分ける

頭蓋骨による男女の性別判断は「肉眼判断法」と「判別関数法」という2つの観点で検証されます。肉眼判断法は頭蓋骨全体の大きさや形、前頭骨の発育状態、乳様突起、頬骨結節などの状態を見て男女の性別を見分ける方法です。

判別関数法は、すでに採取してある男女の頭蓋骨のさまざまなデータに、出てきた骨の数字を代入。数式から男女の判断がつくというものです。科警研の検死技官は経験的に目視で100%判定できますが、判別関数法を用いてもう一度検証します。

頭蓋骨による年齢の判断ポイントは「縫合」の癒着の状態です。縫合とは、簡単に言えば骨と骨をつなぐギザギザ。赤ちゃんの頭がフカフカしているように、縫合は幼児期には離れていて、成長とともに次第にくっつきます。そして、老年期には完全に癒着して今度は線が消えはじめるのです。

この縫合による年齢判断はかなり正確で、およそ5歳刻みで特定が可能。これに骨細胞の老化、歯の摩滅の進行も参考にして検死技官は年齢を見分けるのです。性別と年齢の判断がつけば、科警研は復顔像の制作を開始します。年齢による骨と顔の肉の厚さの平均値に従って肉付けすれば、ふさわしい顔ができるといいます。

科警研でも復顔が難しい部位は頬部

口の大きさは歯列によって判断。鼻の形や大きさは「梨状口」と呼ぶ骨の穴で判断します。穴が短くて幅が広い人はダンゴ鼻。長くて狭い人は高い鼻と判定されます。梨状口の上下についている小骨の角度で、ワシ鼻かブタ鼻かも判断可能です。目の大きさや位置は「眼窩」と呼ばれる目玉の穴で判断します。

ただし、科警研でも判断が難しい部位が頬部。太ったり痩せたりで肉の厚さが6~15ミリも変化するからです。人間の顔は鼻から上の部分は年齢による変化、性別による違いがそれほどありません。要するに太った痩せたという印象は、すべて鼻の下で発生。口角、頬、顎の辺りが変化しているのです。

耳の形や一重瞼か二重瞼かというのも科警研の泣き所。耳は人の顔としては印象の薄い部分ですが、復顔像にすると割と目立つ部位です。瞼にしても一重瞼か二重瞼かで、顔の印象がガラリと変わってしまいます。

耳の形、瞼で参考にするのは「秋田県人は平均的に耳が長く尖っている」「大分県人は二重瞼が多い」など、全国の都道府県別、局所的な地域別の統計値です。復顔像は、あくまで基礎データや平均値を元にして作るのが基本なのです。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「科警研が変死体から生前の顔を蘇らせる方法とは