ここ15年ほど、黒白パトカーといえば、全国津々浦々トヨタのクラウンばかりになっている印象です。街中で見かけるパトロール用の警らパトカー(無線警ら車)はもちろん、動力性能が上位の交通パトカー(交通取締用四輪車)、そして覆面の交通パトカーまでもがクラウン一色…。その理由を見ていきましょう。

警察庁がパトカーを一括購入して配備

なぜこんなことになっているのかというと、全国各地の都道府県に配備されるパトカーは、国の機関である警察庁が一括購入して、各警察本部へ配備しているからです。

警察庁がパトカーを購入する際は、公平を期すために毎回必ず事前の入札告知が行われ、その仕様書や諸条件(金額や納入日など)に合致したクルマが採用されます。

ここ15年ほどは、入札に応じる(応札する)のがトヨタだけで、仕様書の条件を満たすクルマがクラウンだったということです。なので、新旧クラウンのパトカーが全国各地で活動している状態なのです。

警察庁が購入したパトカーが国費モノ

警察庁が国家予算で購入したパトカーを、パトカーマニアたちは「国費モノ」と呼んでいます。これは覆面パトカーも同じですが、覆面パトカーには、黒白の交通パトカーを覆面仕様にした交通取締用四輪車と、捜査員が使用する機動捜査用車に分かれます。

機動捜査用車もセダン型のクルマが入札によって大量に採用されますが、トヨタのアリオンやスズキのキザシといった売れていない不人気セダンばかり。そのため、赤色灯未装着でも珍しい車種から、捜査用覆面パトだとすぐに分かってしまうという本末転倒ぶりです。

対する「県費モノ」は、都道府県警察本部が自治体の予算で独自に購入するパトカーで、応札するのは地元の自動車販売会社など。そのため、多種多様なパトカーが生まれることになります。高速道路が通じている県では、スポーツカーの交通パトカーが高速隊に配備され、雪国では四輪駆動の警らパトカーが見られるのです。

ただ、クラウンの中にも県費モノが存在し、クラパト=国費モノとは必ずしもならないことがあります。国費モノと県費モノが見分けられるようになれば、ディープなパトカーマニアです。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「パトカーの国費モノと県費モノはどういう意味?