
ETC割引のなかでも、とくに割引率が高いことで知られているのが「東京湾アクアライン」です。普通車がETC割引で75%オフの800円という料金は、東京と千葉を移動するドライバーにとってありがたいもので、週末には「アクアライン渋滞」がおきていたほどです。しかし、ETC割引後でもアクアラインはまだ割高な路線なのでした。
アクアライン割引に時間帯別料金導入
数あるETC割引のなかでも、東京湾アクアラインに関する「アクアライン割引」は、割引率が高いことで有名です。普通車であれば、現金利用の通行料金が3140円なのに対しETC利用では800円。割引率にすると約75%になります。
ただし、アクアラインはETC割引によって発生する渋滞緩和のため、2023年7月から時間帯別料金を導入。土日祝日に上り線を利用する車両を対象に、0~13時が800円、13~20時が1200円、20~24児が600円と、時間帯によっては800円よりさらに安くなっています。
しかし、じつはこの「普通車800円」というアクアライン割引後の料金自体は、NEXCO3社が管理する他の路線と比較した場合、まだ割高なのです。そこで、東京湾アクアライン以外のNEXCO3社路線の通行料金がどのように決められているのかを見ていきましょう。
NEXCO3社路線では、走行距離で通行料金を計算する路線と、各IC間の料金表が決められている路線の2種類が存在。全国的には、走行距離で計算する路線の方が圧倒的に多く、料金表を利用するのは東京外環道や第二神明道路といった幹線をカバーする路線に限られます。
アクアライン割引後の1kmあたり料金
走行距離制の場合、東京・大阪の近郊で指定されている「大都市近郊区間」は1kmあたり29.52円、そのほかの普通区間は1kmあたり24.6円です。実際の通行料金は、距離あたりの料金に利用1回ごとにかかる150円を加え、合計金額に消費税率10%を掛けたうえで10円単位を四捨五入します。
また、料金表を利用する路線では乗降IC間の料金がそれぞれ決められていますが、ETCを利用する場合については距離あたりの料金が走行距離制の路線とほぼ同じです。さらに、地域的な事情で距離あたりの料金が割安な沖縄道や、京葉道路や第三京浜のように歴史的な経緯から割安になっている路線も存在します。
東京湾アクアラインについては、浮島JCT~木更津金田ICの距離は15.1kmで、普通車の通行料金はアクアライン割引後で800円。この料金から消費税や一回あたりの利用料金などを逆算して、1kmあたりの税抜き通行料金を計算すると約38.2円です。大都市近郊区間の29.52円より1kmあたり10円近く高くなってしまう計算です。
つまり、東京湾アクアラインはETC割引でおトクな高速道路というより「現金利用ではとてつもなく高い」路線ということ。とはいえ、ほぼ一直線で運転しやすい東京湾アクアラインは、多少料金が高くても利用するメリットは大きいといえるでしょう。
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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「アクアラインのETC割引は75%オフでもまだ割高」