音声通話をしている無線を「おもしろ無線」と呼んでいます。エアーバンドもおもしろ無線の一つで、電波行政を司る総務省によって使用できる周波数が118.000~135.975MHz(25kHzステップ)と決められています。この周波数帯の中から、空港ごとにその規模に応じて数波が割当てられるのです。

エアーバンドは周波数が順次変わる

エアーバンドが他のおもしろ無線にはない最大の特徴として、航空機の状態に応じて周波数が変わっていくことが挙げられます。鉄道無線であれば、1つの路線は起点から終点まで、1つの周波数を使い続けるのが原則です。

ところが、エアーバンドでは航空機が空港内のどこにいて何をしているか、上空のどこを飛んでいるのかによって周波数が順次変わっていくのです。その理由は管制の仕組みにあります。

空港内とその周辺空域は3次元的に細かくエリア分けされて、エリアごとにそれぞれの管制官が担当します。空港内では離着陸する滑走路と、旅客が搭乗する駐機場では管制の担当部署(管制席)が異なるからです。

エアーバンド周波数の移動先マスター

周辺空域も同様で、着陸機が進入してくる空域と離陸機が出て行く空域では、別々の管制席が対応します。地上から上空まで航空機がどこにいるのか、どんな動きをしているのかによって、管制席が移り変わる「移管」に連動して周波数が変わっていくのです。

展望デッキから追いかけたい航空機を見つけたら、管制席の移管に応じて周波数を変えていけば、駐機場から誘導路を経て滑走路へ進入。離陸して大空へと舞い上がるパイロットと管制官の通話がすべて聞こえてきます。

エアーバンド受信を楽しむポイントは、各管制席の役割を理解して、周波数の移動先をマスターすることです。なお、エアーバンドの交信は国内線であっても、すべて英語で行われます。

言語の違いはハードルが高そうに思えますが、英会話ではなく、エアーバンドならではの定型句が多用される日本人の英語。航空機の動きを見ながら聞いていれば、理解は思いの外、早いはずです。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「エアーバンドで交信する周波数が切り替わる理由