
2人1組での取り締まりが多い駐車監視員の仕事を観察すると、その動きはじつにシステマチックです。違反車両を見つけると、まず1人がデジカメで証拠写真を撮影。もう1人が違反車両が止めてある住所やナンバーなどを端末に入力します。ここで、駐車違反は監視員がステッカーを貼るまで未確定なのでした。
駐車違反が監視員制度で大きく変更
駐車違反の取り締まりは、以前は警察官がカギ付きの駐車違反ステッカーをドアミラーなどに取り付け、違反者を警察へ出頭させて違反切符を切るスタイルでした。そのスタイルは2006年6月にスタートした駐車監視員制度で大きく変わったのです。
駐車監視員制度により、駐車違反は違反を現認した後にナンバーから判明した車両の持ち主に「放置違反金」という新しいペナルティを払わせる形に変更されました。そして、駐車違反の現認を委託されているのが駐車監視員です。
駐車監視員は駐車違反している車両の情報を端末に入力すると、印刷機でステッカーを出力して放置車両に貼り付けます。そして、最後にその様子をもう1人がデジカメで撮影すれば確認作業は完了です。
ここで、駐車監視員を観察して駐車違反の確定タイミングを確認してみました。まず駐車監視員がビルの前で駐車中のトラックを発見。見つけるや否や確認作業を始めます。1人が巻き尺を使って違反状況を測り始めると、もう1人は携帯端末に情報を入力。しかし、しばらくして運転手が登場。トラックを移動させてしまいました。
駐車違反はステッカーが貼られて確定
今度は交差点付近で停車中のトラックを発見。先ほどと同じ役割で駐車違反の取り締まりを始めた2人でしたが、やはり運転手が戻ってきてトラックを移動させてしまいました。
その後、シルバーの軽ワゴンを発見。そのまま確認作業を始めました。測量やデータ入力をテキパキと終えた2人はステッカーの印刷の準備に入ります。そして、2人が軽ワゴンを背に何やら話し込んだその時、運転手が車内へ乗り込んでクルマを移動させてしまったのです。
少し歩くと、駐車違反の乗用車を発見して確認作業を開始。一連の作業を終え、ついにステッカーの印刷作業に入ります。そして、出力したステッカーがフロントガラスに貼られました。ステッカーが貼られた状態の写真も撮影して作業は終了です。この後には運転手が戻ってきて、怒りの表情でステッカーをはがしていました。
このように、駐車監視員による駐車違反の取り締まりは、確認標章と呼ばれる黄色いステッカーが貼られたら確定、貼られる前に戻れば未確定となります。とはいえ、駐車違反は交通の妨げとなるのでやめましょう。
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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「駐車違反は監視員がステッカーを貼るまで未確定」