管制承認を受けた航空機は、次の管制席「グランドコントロール(Ground Control)」に移ります。単に「グランド」と呼称され、略号は「GND」です。日本語では「地上管制席」となり、その名の通り、飛行場エリアの地上部分を管制しますが、滑走路だけは除きます。グランドコントロールについて、詳しく見ていきましょう。

グランドコントロールの許可で移動

グランドが管制するのは、旅客が乗降する駐機場(エプロン)と、そこから滑走路へと向かう誘導路(タクシーウェイ)です。これらの地上を移動する航空機はもちろん、各種支援車両もグランドの許可を得なければ移動できません。

駐機場の航空機は機首がターミナルビルに向いているので、滑走路に行くためにはまずバックする必要があります。航空機は、自力ではバックしないので、専用車両のトーイングカーに押し出してもらい駐機場から出ていくのです。

航空機の着陸脚(前輪部)にトーイングカーがつながれて、準備が整うとパイロットはグランドを呼び出して、プッシュバックを要請。するとグランドから許可が出ます。「ジャパンエアー123、プッシュバック アプルーブド(日本航空123便、プッシュバックを許可する)」という具合です。

グランドコントロールと自走前に交信

グランドコントロールの周波数から、この交信が聞こえてきたら、駐機場の航空機が動き始めます。空港の展望デッキから駐機場を見ながら受信すると、交信内容とプッシュバックが目の前でリンクするので、エアーバンド英語の理解が早まるでしょう。

プッシュバックでターミナルビルから離れた航空機からトーイングカーが切り離されると、航空機は滑走路までタキシング(地上滑走)で自走して向かいますが、その前にもグランドコントロールと交信して許可を得るのです。

滑走路までの移動を許可された航空機は、滑走路へと続く誘導路をタキシング。中小空港であればルートは単純ですが、羽田空港のように4本もの滑走路があると、ラッシュ時は離着陸機が激増し、誘導路も渋滞します。そこで細かいルートが指定されるのです。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「グランドコントロールは地上の移動をすべて管制