
防災無線とは国や省庁、そして自治体の防災機関が使用する無線の総称です。厳密には「地方行政無線」として自治体に割当てられた周波数もあり、実際の運用において、「防災行政無線」との区別が難しいのです。そこで。行政機関が防災のために使用する無線を、防災無線と呼んでいます。
防災無線には固定系・移動系・同報系
防災無線は防災の名前の通り、災害への備えや対応に使われる無線通信です。防災無線は固定系・移動系・同報系に系統が分かれます。災害時に聞こえてくる内容は、系統によって大きく変わるのです。
防災無線の「固定系」は、国レベルでいうと、省庁と各都道府県庁の災害対策本部を結ぶ通信系統で、都道府県庁の場合は県内にある各市町村の災害対策本部との通信系統となります。これらの無線は、デジタル波や衛星通信で受信できません。
防災無線の「移動系」はパトロールや現場で活動する職員が、災害対策本部や所属部課と連絡するための無線です。デジタル化した自治体も多いのですが、アナログ波が生きている市町村もあります。
防災無線の「同報系」は地域の各所に設置された受信施設を使い、住民に向けて災害情報や避難、警戒に関する情報を屋外スピーカーや戸別受信機を通じて伝える放送です。無線設備の更新によって、デジタル化が急ピッチで進んでいます。
防災無線の移動系で有力な1次情報
防災無線の3つの系統の中で、地元の有力情報の入手先として受信したいのは移動系です。アナログ波は466MHz帯で運用されています。具体的な周波数は、466.0000~466.3375MHz(12.5kHzステップ)と、466.5625~466.9875MHz(12.5kHzステップ)です。
実際、消防団が防災無線移動系を使用するケースも多々あります。デジタル簡易無線登録局を使う消防団もあるので、合わせてチェックしてください。消防団の無線からは、より地域に密着した災害情報が得られます。
このほか、国土交通省の無線も要チェック。山間部を通る国道を管理するために、国土交通省が153MHz帯のアナログ波を使用するケースがあります。防災無線が平時に運用されることは少ないのですが、災害発生時に受信できるよう、受信機には地元の周波数をメモリーしておくのが鉄則です。
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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「河川の氾濫で有力情報が入る「防災無線」とは?」