スピード違反の取り締まり方法で多いのは、パトカーで違反車を追いかける「追尾式」と、道路脇に速度測定装置を置いて待ち伏せする「ネズミ捕り」の2つです。このネズミ捕りに使われる速度測定装置はどのようにスピードを測るのか、取扱説明書を熟読。すると、ネズミ捕りにおいて測定ミスの可能性があることがわかりました。
光電管式ネズミ捕りはほぼ日本無線製
ネズミ捕りによるスピード違反の取り締まりは、道路脇に速度測定装置を設置する必要があることから、警察内部では「定置式」と呼ばれています。ネズミ捕りで違反車のスピードを測定する方式は、現在「レーダー式」「レーザー式」「光電管式」の3種類です。光電管式のネズミ捕りの弱点を、取扱説明書から読み解くことにします。
光電管式のスピード違反取り締まりでは、道路を横切るように光電管の送受光部と反射板のセットを2組設置。それぞれを前輪タイヤが遮った時間差と、2組の設置間隔からスピードを割り出します。
光電管式の測定装置は現在、レーダー式でも圧倒的なシェアを占める日本無線製がほとんどで、「JMA-340」「JMA-380」の2モデルが使用されています。
光電管式ネズミ捕りに誤測定の可能性
JMA-380はJMA-340のマイナーチェンジ版で、2017年ごろから登場。JMA-380とJMA-340に外見上の違いは少ないものの、JMA-380にはJMA-340になかった送受光器の取手が追加されています。また、ユニットボックスは高さが低くなり、幅が広く安定感が増しています。
JMA-380の取扱説明書を見ると、「タイヤが光路を遮断することを前提に設計」「タイヤ以外の部位が光路を遮断することは極力避ける」との記載があります。また、光電式の光路は道路面から9cm以下にセットとあり「道路面から9cm」の部分にはアンダーラインが引かれていました。
じつはこの9cmという高さは重要で、車検の基準となる保安基準の最低地上高が9cmなのです。しかし、樹脂製のフロントスポイラーには例外があり、地上高5cmでも車検を通すことが可能。光電管式の速度測定器を地上高9cmに設置した場合、低いフロントスポイラーの自動車では実際より速く誤測定される可能性があります。
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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「取扱説明書でわかったネズミ捕り誤測定の可能性」