高速道路の料金支払いだけでなく、高速道路の交通情報もチェック可能で便利な「ETC2.0」ですが、なかなか普及が進みません。普及が進まない一番の理由は、ETC2.0を利用しても従来のETCと比べて高速料金が安くならないことにあります。しかし、首都圏と名古屋圏にはETC2.0限定で高速料金が割引になる路線もあるのです。

ETC2.0割引が設定されている高速道路

高速道路の料金決済に利用するETCのなかでも、「ETC2.0」は高速道路のSAや路側帯などに設置された通信アンテナを通じて、道路情報をやりとりする機能が追加された規格です。

ETC2.0車載器は、この無線通信を行うための装置が内蔵。今まで最大約200kmの範囲だった道路交通情報が、現在位置から最大1000km分の道路交通情報まで受信可能です。

一方で、ETC2.0車載器の価格は従来のETC車載器と比べ1万円以上割高。このため、乗用車の場合はETC2.0車載器付カーナビが標準仕様となっている高級車を除くと、あまり普及していないのが現状です。

じつは、NEXCO3社路線のなかにはETC2.0限定で割引料金を設定している路線もあり、首都圏郊外の環状路線である圏央道に加え、2021年5月からは東海環状道でもETC2.0割引が開始されています。

ETC2.0割引で現金より500円割安になる

NEXCO3社の距離別料金制では、大都市圏に設定されている「大都市近郊区間」とそれ以外の「普通区間」では1kmあたりの通行料金が異なります。大都市近郊区間は1kmあたり普通車で29.52円、普通区間では24.6円で、これに1回あたりの利用料金150円を加え、さらに消費税が追加される仕組みです。

圏央道と東海環状道は距離別料金制ではなく、各IC間の料金表が決められた路線ですが、通常料金は大都市近郊区間とほぼ同じに設定されています。しかし、ETC2.0を利用した場合は通常料金が普通区間並みになるのです。

例えば、圏央道を白岡菖蒲IC~海老名ICまで走行した場合、通常料金は普通車3130円、ETCが2910円のところ、ETC2.0利用の場合2630円と、現金より500円割安です。なお、ETC2.0割引はETC休日割引やETC深夜割引との重複適用はなく、休日割引・深夜割引の時間帯にはそちらが優先されます。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「全国に2か所だけある「ETC2.0割引」の路線は?