NHKのWebサイトには、ときどきNHK受信料や受信契約に関する民事手続きや民事訴訟についての情報が掲載されることがあります。民事手続きと民事訴訟はひとまとめに「法的措置」と呼ばれることが多いのですが、NHKが民事手続きと民事訴訟を区別して発表しているのは、それぞれの法的根拠が異なるためなのです。

NHK受信料未払いの法的措置は支払督促

NHK受信料に限らず、代金の未払いや借金の返済が滞った際には「法的措置をとる」といった通知が届くことがあります。しかし、単に「法的措置をとる」といった手紙などが届いた段階では実際に法的措置は始まっていません。

未払い代金や未返済の借金は「債務」、逆に未回収の代金や貸出金は「債権」と呼ばれ、それぞれを抱える人や会社などは「債務者」「債権者」となります。民法上、債権者は債務者に対し、債権分の支払いを求めることができますが、債務者の同意をもとに支払いが行われるのが原則です。

ただし、NHKが受信料未払いを何度も請求したにも関わらず視聴者側が支払わないといったケースでは、裁判所の手続きにより債権を回収する手段が民法に定められています。NHKが受信料未払いについて行う法的措置で代表的なものが「支払督促」です。

NHK受信料未払いの支払督促には異議

NHK受信料未払いの支払督促とは、債権者が簡易裁判所へ申し立てることで債権を回収する手段のひとつで、民事訴訟法にその手続きが定められています。NHK受信料未払いであればNHKが視聴者の住所や勤務先を管轄する簡易裁判所へ申し立て、申し立てを受けた簡易裁判所は、視聴者へ「特別送達」と呼ばれる郵便でその通知を行います。

NHK受信料未払いの支払督促の手続きは、特別送達郵便が視聴者側に届いた段階で開始。到着後2週間以内に視聴者側が、送付した簡易裁判所へ異議申し立てを行わない場合、NHK側の言い分がすべて通ったことになります。逆に、簡易裁判所へ異議申し立てを行うと手続きが民事訴訟へと移行します。

例えば、NHK受信料未払いを10年続けていた場合、簡易裁判所から届く支払督促にはNHK受信料未払い10年分すべての支払を命じる内容が書かれている可能性が高く、放置すると10年分の支払が確定してしまいます。一方、異議申し立てを行い民事訴訟へ移行すると民法上の消滅時効を適用(援用)することも可能になり、5年分の支払いで済むのです。

NHK受信料未払いでなく未契約者の場合

一方、NHK受信料未払いでなく、未契約視聴者からNHKが法的措置で受信契約を取り付けようとする場合は、債権や債務が発生していないため支払督促は行えません。この場合、NHKは裁判所へNHK受信契約の締結と受信料の支払いをセットで求める民事訴訟を提起することになります。

民事訴訟でNHKが受信契約を求める根拠となるのは、放送法にある「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、同項の認可を受けた受信契約で定めるところにより、協会と受信契約を締結しなければならない」という規定です。

NHK受信料の支払いについては、放送法上で明文化されてはいないもののNHK受信契約に受信料の支払い規定があり、契約にもとづきNHK側には民法上の債権、視聴者側には債務が発生。NHK側は発生した債権をもとに、民事訴訟で債権を回収するという手続きの流れになります。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「NHK受信料未払いの民事手続きと民事訴訟の違い