泥棒が金庫に耳を当てて慎重にダイヤルを右に左に回して、カギを解錠しようとするシーンを映画やドラマで見たことがあるでしょう。これは金庫のダイヤル錠が「左に2回転して10に合わせる」「右に3回転して43」などの暗証になっているため。ダイヤル錠の切り欠きが揃う小さな音を頼りに金庫のカギを解錠しようとしているわけです。
金庫は電マで解錠できる構造だった
まずは金庫のダイヤル錠の仕組みを見ていきましょう。ダイヤル錠の施錠状態(ロック)では、4枚ある円状のプレート「座」の切り欠きが揃っていないため、キーを回して動くカンヌキが入らず施錠の状態です。
これがダイヤル錠の数字と回転方向が合致すると、座の切り欠き部分が揃った状態になります。すると、カンヌキが座に入ることで動くようになって開錠できるというわけです。
じつは、金庫のダイヤル錠は「電マ」と呼ばれる電動マッサージ機を当てて振動を伝え続けることで、自然とダイヤルが合致して行く構造になっているのでした。
金庫を電マの振動によって解錠する
というのも、ダイヤル錠のシャフトに固定されている「座」は、最後尾の1枚のみ。固定された座を左右に回していくことで、固定されていない残り3枚の座を動かし、切り欠きを合わせていく仕組みです。
可動状態の残り3枚の座は、弱いスプリングで相互に圧着されている構造。各座の表面にはダイヤル錠の暗証の数字に合わせた位置に突起があり、その突起が合致すると座が固定されます。
ここで電マでダイヤル錠に振動を与えると、3枚の座がクルクルと回り出して、次第に各座の突起同士が引っ掛かります。しばらくすると、すべての座の突起(数字)が合致して切り欠きが揃うのです。
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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「金庫のダイヤル錠が電マで解錠できてしまう原理」