国籍不明機は、高速で領空に近づいてきます。スクランブル発進は緊急を要する任務なので、管制の流れはTWR→DEP→GCIになり、GNDに開局することなくTWRで交信が始まります。スクランブル発進の訓練時は、GNDに開局するので交信の流れから見分けることも可能。このほかにも、スクランブル発進が訓練か交信で見分ける方法があります。

スクランブル発進は武装した戦闘機2機

命令から5分以内に離陸できるとされる、スクランブル発進対応用のアラートハンガーに待機する武装した2機の戦闘機は、時短のためいきなりTWRと交信を始めます。

TWRからは「ハーケン11 ホットスクランブル タイム15 オーダー レディー トゥ コピー(ハーケン11、ホットスクランブル。時刻15分。クリアランス受領の準備はいいか!)」と言う感じです。。

このような交信がTWRから聞こえてきたら「ホットスクランブル」です。頭に「ホット」が付くのは訓練ではない、本当のスクランブル発進を意味します。

スクランブ発進する戦闘機の交信内容

もちろん、スクランブ発進は訓練も行われますが、この時はGNDに開局するので交信の流れから訓練であることが分かるのです。また、ホットスクランブルの時は、コールサインの数字が入れ替わるのが特徴です。

航空自衛隊は、1つの航空団に2つの飛行隊が配置されるのが基本。部隊名の数字が小さい1st飛行隊がコールサインの後に続く数字01~14を使い、数字が大きい2nd飛行隊は15~29を使用します。

これがホットスクランブルの場合、1st飛行隊は15~29へ、2nd飛行隊は01~14へと数字が入れ替わるのです。これもスクランブル発進が本物か訓練かの判断の目安となります。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「戦闘機のスクランブル発進が訓練か見分ける方法