警察官には、巡査や警部といった階級以外にも区分が存在します。それが「キャリア」と「ノンキャリ」と呼ばれるもの。とかくキャリアとノンキャリの格差が注目されますが、じつはそれより激しいのがノンキャリ同士の出世レース。ノンキャリ警察官の出世は最初の赴任先でほぼ決まってしまうのです。

ノンキャリ警察官の人生がほぼ決まる

ノンキャリ警察官のスタートはみんな一緒。警察官として配属される前に、警察学校に通います。ただし、出世レースはすでにスタート。元捜査員によると「この時の成績や適性で担当教官に赴任先を決められます。この時点でその後の警察官人生がほぼ決まってしまう」といいます。

というのも「田舎は事件なんかほとんどないから、いくら意欲があっても出世はムリ。その代わり、都市部の署への配属は出世コースですが激務」なのです。「僕は最初、大阪府警の南警察署に配属されて勤務先は戎橋の交番。東京でいう歌舞伎町みたいなところで、毎日が事件の連続でしたね」と話します。

「一番厄介なのが道頓堀に飛び込む酔っぱらい(笑)。ヘドロみたいな川に、人命救助として僕らも飛び込まなきゃいけない」からです。「でもそうやって真面目に勤務してると上司が評価してくれて、昇任試験などに受かると、そこで初めて捜査に関わることができる」と振り返ります。

ノンキャリ警察官にはさらなる激務

捜査班に配属されると、ノンキャリ警察官にはさらなる激務が待っています。「5~6人で班を作って捜査に当たるんですが、メンバーが完全にそろっている班なんかなかった。各班1人は自律神経の失調や胃潰瘍で入院した人で欠けてて…」という状態です。

「むしろ逆に全員そろっているような班だと『お前んとこ仕事してないやろ?』ってバカにされる」とか。ノンキャリ警察官は、転属も「当日まで自分がどこの部署に行くか分からない」状態といいます。

とはいえ「捜査官が新任かどうかなんて、勾留中の被疑者にとっては関係ないでしょう? 私らも真剣にやらざるをえないんです。もしそれがダメだったらすぐに交番に落とされる」とのこと。対キャリア以上に厳しいのがノンキャリ警察官の出世レースなのでした。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「ノンキャリ警察官同士の激しい出世レースとは?