
「防災無線」は用途によって「同報系」と「移動系」の2種類があります。さらに、使用者である都道府県と市区町村に分けることが可能。そして、もっとも身近な防災無線といえば、市区町村が運用する同報系です。公園や町役場などに設置されたスピーカーから流れてくるメロディやアナウンスが、災害時には避難情報も流す防災無線になります。
夕方のメロディ一斉放送が防災無線
夕方17時くらいになると子どもたちに帰宅を促すメロディが流れて来るのを聞いたことがあるでしょう。他にも選挙の投票日に、投票を呼びかけるアナウンスが聞こえてくることもあります。
これらのどこからともなく流れてくる一斉放送が防災無線の同報系です。聞こえてくる内容は地域によっていろいろ。都市部では「騒音対策」のため、夕方のメロディのみの放送がほとんどです。
一方、山間部や農村部になると、朝の7時から10・12・15・17時と2、3時間おきにチャイムを鳴らし、屋外で働く林業や農業の従事者へ、時報の役割を果たしています。また、地域のつながりも強いので、地元の小中学校で修学旅行が実施されている期間は、生徒・児童が宿舎に着いたことを知らせる放送もあるのです。
さらには徘徊老人や迷子の捜索のお願いが流されたり、かつては住民の葬儀を伝えたりしていたこともあります。これら同報系の一斉放送は、役所の防災課から60MHz帯の電波に乗せて送信。公共施設の屋上や、公園内に建てられたパンザマストに取り付けられたアンテナで受信します。
屋外スピーカーから夕方のメロディー
そして制御部で音声化されて、夕方のメロディなどが屋外スピーカーから放送となって流れるのです。なお、発信元となる役所の送信設備を「親局」、受信側の屋外スピーカーを「子局」と呼んでいます。
アナログ波の同報系は、親局から子局への一方通行が基本。子局から親局への通信が可能なシステムも存在しますが、これはごく少数です(デジタル同報系は大多数で可能)。親局から子局へ向かう電波を受信機でキャッチすれば、屋外スピーカーと同じ放送が受信機から聞こえてきます。
例えば、台風の接近で避難の必要性が出てきた時、同報系からは避難情報が流されます。重要な情報ですが、台風接近時は窓はもちろん、雨戸も閉めている世帯が大多数。雨音も大きいので、屋外スピーカーの音は部屋の中には届きません。
平時に窓を開けていても複数箇所から同時に放送されるため、場所によっては音声が重なって聞き取りにくい場合もありますし、風向きによってはまったく聞こえてこないこともあります。しかし、受信機であれば手元で確実に聞けるわけです。
【関連リンク】
スピード違反から逃れる方法「ごねる」を白バイ隊員が伝授
覆面パトカーの見分け方は追い抜くクルマの車内
赤外線カメラの透過写真で服が透ける?簡単な作り方とは?
駐車違反で出頭しないデメリットはあるか?
歩道は駐車禁止でも警察は植込みで駐禁を取り締まらない?
情報提供元:ラジオライフ
記事名:「夕方になると童謡のメロディが聞こえてくる理由」