
見通しのよい道を快適に飛ばしていたら後ろからパトカーのサイレン音…。明らかに30km/h以上オーバーしていて「あー、免停だ!」と覚悟したにもかかわらず、30km/h未満の速度超過であると青キップにしてもらえたという話を耳にしたことがあるはず。そんな警察官の温情には「交通安全対策特別交付金」というウラ事情があるようです。
警察官が温情で青キップの反則金にする
違反スピードが思ったより少なく青キップで済んだ場合、一番多いのが本当に30km/h(高速道路なら40km/h)以上オーバーのスピードが出ていなかったケースです。というのも、自動車のスピードメーターは実際のスピードより高く表示されるように調整されているためです。
もう一つは、本当に温情をかけてくれた場合です。スピード違反時に「これならOKでしょう」と言われた経験がある人もいると思いますが、この場合は温情をかけてくれた可能性もあります。
しかし、温情をかける警察側にもじつはそうしたい事情があったりします。それは、スピード違反でドライバーが支払うお金がどこに向かうかに関係しています。つまり、青キップの方が警察としてうれしい面があるのです。
交通安全対策特別交付金で反則金が戻る
青キップも赤キップも同じように「罰金」を取られているように思われがちですが、じつは支払うお金の種類が違います。赤キップの方は文字通り罰金ですが、青キップで支払うお金は「反則金」と呼ばれるものなのです。
反則金は「交通違反通告制度」という仕組みで定められたもので、簡単にいえば軽い交通違反は裁判なしで済ませようという制度です。青キップの場合、反則金を払えばそこでで手続きは終了です。
そして、この反則金がどこに回るかといえば、国ではなく都道府県なのです。各都道府県警の交通違反通告センターが集めた反則金は、いったんは国のお財布(国庫)に入りますが、相当額が「交通安全対策特別交付金」として都道府県に戻されます。
交通安全対策特別交付金は身内のお金
日本の場合、警察官のほとんどは各都道府県に所属する地方公務員です。青キップで反則金が支払われることは、交通安全対策特別交付金として都道府県にお金が入る、つまり警察官側から見れば身内のお金が増えることになります。
一方、赤キップの罰金は裁判所へ支払うもので、国のお財布(国庫)に入ります。警察官にしてみれば、無理して赤キップにして国のお財布を増やすぐらいなら、青キップで交通安全対策特別交付金として身内のお金を増やしたした方がいい…となる可能性も考えられるのです。
もっとも、機械的にスピードが判定されるオービスやねずみ捕りでは、温情のかけらもなく赤キップが切られます。また、30km/hオーバーでも容赦なく赤キップを切る警察官も多いので、制限速度はしっかり守りましょう。
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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「警察官の温情は交通安全対策特別交付金が理由?」