警察官の制服や身につける装備品の「本物」は、警察マニアの憧れの的。とはいえ、入手は極めて困難です。ヤフオク!やメルカリに出品されている警察グッズは、大多数が「劇用品」と呼ばれるレプリカ。それでは、劇用品の警察グッズはどのようにして生まれてくるのでしょうか。劇用品の警察グッズを製造&販売している専門店に聞いてみました。

警察グッズのレプリカに必要なリアリティ

警察グッズの劇用品とは警察モノの映画やドラマで使う小道具のことで、作品によってはたくさんの数が必要になります。映画やドラマの制作が決定すると、小道具屋さんは大はパトカーから、小は装備品まで警察グッズの手配をかけます。

そこで、私のところに警察グッズの製作発注が入ってくるわけです。注文は主に警察手帳や革ケースといった個人装備品。主人公が手にする警察手帳レプリカはアップにも耐えられるよう、本物ソックリに作り込まないとリアリティに欠けてしまいます。

そこで、小道具屋さんはどこから手に入れてきたのか、本物と思われる警察装備品を持ってきて、警察グッズを「これと同じものを200個作ってほしい」となるのです。

警察グッズのレプリカは微妙にアレンジ

警察手帳のような平たいものの警察グッズは、そのままサイズを計ればよいのですが、拳銃ホルスターや手錠ケースなど立体的な装備品の警察グッズは、分解して採寸します。そして、ベースになる警察グッズの型紙を作るのです。

ここからが本番で、警察グッズは同じサイズで作ってもうまくいきません。立体的な加工をする際の革の伸びを計算に入れることが重要。何個か警察グッズの試作品を作って、拳銃ホルスターであればモデルガンを入れて、抜きやすいかをチェックしてから量産となります。

警察グッズの拳銃ホルスターなどは、本物ソックリでも問題ありませんが、警察手帳の記章や階級章となるとそうはいきません。デザインを損なわない範囲で、微妙にアレンジを加えて警察グッズは本物と変えています。これを元に金型を作って警察グッズの量産です。

警察グッズは小道具屋さんからの発注数に不良品が出ることを加味して多めに作るのですが、警察マニア向けにもう少し増やして製造しました。それが今、警察グッズとしてネットで販売されていたり、コピーされているようです。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「警察グッズのレプリカであえて本物と変えた部分