警察庁と警視庁は同じ「庁」ですが全く異なる組織。警視庁は東京都を管轄とする地方の行政機関ですが、警察庁は海上保安庁やデジタル庁などの「庁」と同じ中央省庁の一つで国の行政機関になります。そのため、警察庁を管理するのは国家公安委員会で、所管するのは総理大臣です。警察庁の組織について見ていきましょう。

警察庁の組織としての警視庁との違い

警察庁の役割は、全国の警察本部(都道府県)の監督と指揮を担うこと。原則として捜査などを行う実働部隊は存在しません。ここが組織としての警視庁との大きな違いです。ただし「皇宮警察本部」と「サイバー警察局」は実働部隊になっています。

警察庁のトップが警察庁長官で、補佐をするのが警察庁次官。長官と次官の下には6つの内部部局、そして地方機関と付属機関が設けられています。内部部局である「長官官房」は、総務や人事、会計といった事務部署を中心に、国際関係を調整する国際課、国家公安委員会をサポートする国家公安委員会会務官が設けられています。

警察庁の内部部局「生活安全局」は、犯罪を未然に防ぐための施策を企画立案する部署です。「刑事局」は、刑事警察に関する制度などを担当しており、独立部門として組織犯罪対策部が存在します。

警察庁の「交通局」は、交通警察に関する施策や道路交通に関する法制度と予算編成への反映などを行っているのです。「警備局」は、警備警察に関する制度の企画立案、情報の総合分析、都道府県警察の活動の調整などを行う部署になります。

警察庁の独立部門に組織犯罪対策部

また、警察庁には独立部門として、外国人や活動拠点を海外に持つ日本人がかかわるテロやスパイ活動などの対策を担当する外事情報部が置かれているのが特徴です。

そして、2022年4月1日に情報通信局を改編して設立された警察庁の組織が「サイバー警察局」。サイバー攻撃の事案や犯罪の取り締まりのための情報技術解析を任務としています。

警察庁の地方機関は、全国を7区分した「管区警察局」と、情報通信システムの整備や運用、犯罪に使用されたPCの解析などを行う「情報通信部」という構成です。

警察庁の付属機関には、上級幹部への昇任に必要な知識などを習得する「警察大学校」、科学捜査や各種犯罪などに関する研究や実験を行う「科学警察研究所」、皇族や皇居などを守る「皇宮警察本部」があります。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「警察庁には捜査を行う実働部隊は原則存在しない