アナログ波で聞けるマスコミ無線の1つに、「番組中継波」があります。これは文字通り、番組の中継用に使う無線で、VHF帯とUHF帯に割当てがあります。番組中継波はテレビ局にも周波数が割当てられていますが、音声だけを送信すればいいラジオ局が主に使っています。番組中継波を詳しく見ていきましょう。

番組中継波は生中継の前後も出ている

ラジオ局では、生中継の現場にラジオカーと呼ばれる中継車を派遣することがあります。現場の音声を番組中継波に乗せてラジオ局に送信することで、生放送に現場の音声を乗せるのです。

番組中継波で送られる音声は、放送でオンエアされる音声と同じですが、電波は生中継の前後にも出ており、番組進行の舞台裏が聞こえてくるところに面白みがあります。

例えば、アナウンサーが「今日は6時30分から阪神対巨人、甲子園球場からお送りいたします。開始までしばらくお待ちくださいっ!」とCMに入ったあとです。

番組中継波から雑談が聞こえてくる

アナウンサーが「さて、テラカワさん、今日こそはタイガースに勝ってほしいんですけどねー」というと、解説者が「せやねー。ホンマはもっとビシバシ打てや!って言いたいんやけどなぁ。今日勝たんと監督クビでっせ!」と、番組中継波から雑談が聞こえてきたりするのです。

番組中継波は、野球場の近くやマラソンコース付近で受信できます。また、ラジオの街頭インタビューでは、打ち合わせの様子も聞こえてきたりします。

しかし、最近は番組中継波が傍受されることを意識しているようで、放送に乗せない間はミュートしていることが多いようです。なお、テレビ局もマラソン中継の時は、番組中継波を使うことがあります。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「生放送の舞台裏が聞こえる「番組中継波」の魅力