今回は、プログラミング言語として注目されてきている「Scala」について解説します。

関数型言語として採用する企業も増えてきています。Scalaとはどんな言語なのか、他の言語と比較して何が優れているのか知っておきましょう。

 

なお本記事は、TechAcademyのScalaオンライン講座の内容をもとに作成しています。

 

目次

 

Scalaとは

Scalaではオブジェクト指向と関数型プログラミングの両方を扱うことができます。

オブジェクト指向とは、仕様の変更に対して柔軟にプログラムを実装することができる手法です。

オブジェクト指向はクラスという概念とともに理解していく必要があります。

関数型プログラミングとは拡張性が高く、プログラミングの文法自体をプログラマー自身で変更することが出来ます。

 

また、求人検索エンジンスタンバイが発表したプログラミング言語別平均年収では、Scalaが626万円と第1位に選ばれています。

参照元:http://www.bizreach.co.jp/pressroom/pressrelease/2017/0810.html

Scalaを採用する企業は増えていても、Scalaエンジニアはまだまだ少ないです。これからエンジニアを目指す人もエンジニアとしてキャリアアップしたい人もScalaを学ぶメリットは大きいでしょう。

 

ScalaとJavaの関係

Scalaは、Javaのライブラリのほとんどをシームレスに利用することができます。ライブラリとは、よく使う機能をあらかじめ実装した状態でまとめてある便利機能です。

ScalaがJavaのライブラリを簡単に利用できる理由として、ScalaがJVM(Java Virtual Machine)上で動作するためです。JVMはJavaの仮想マシンのことです。

 

Scalaで作られたもの

Scalaで作られたものには様々なものがあります。

有名なWebサービスであるTwitterやLinkedinでもScalaを使用して実装されています。国内でもChatworkやビズリーチなどがScalaを採用しています。

他にも、人工知能に関する実装にもScalaを使用していることがあります。

 

Scalaを使うメリット

JVM上で動作する点

JVM上で動作することは、MacやWindowsやLinux等JVMが動作していればどのOSにおいても実行可能ということです。

また、JVM上で動作するということは、当然Javaの資産ともいえるライブラリを利用可能です。

Javaという言語は20年以上業務システムの現場で利用されています。

サン・マイクロシステムズという企業から始まり、現在はオラクルという会社の元で管理されている言語です。

多くの業務システムで作られたライブラリが存在するということは、そのライブラリを利用することで、再度その部分の実装をする必要が無いということです。

つまり、実装する手間を少なくするという大きなメリットがあります。

 

良いフレームワークがある点

ScalaにはPlay2というフレームワークがあります。

Play2フレームワークはJavaでも利用することが可能です。

フレームワークとは、よく使用する実装方法を柔軟にかつ簡単に実装する方法をあらかじめ用意してくれている枠組みです。

ScalaのフレームワークにはPlay2の他に、RubyのSinatraに影響を受けたScalatraや、Ruby on Railsに影響を受けたServletベースのSkinny Frameworkや、Twitterで開発されているFinagleがあります。

これらフレームワークが存在することは、開発効率を格段に向上することになります。

 

静的型付き言語である点

Scalaは静的型付き言語です。

静的型付き言語とは、変数や、引数や返り値などの値の型が、プログラムの実行よりも前に仕様として実装済みと言うことです。

変数とは値を格納するはこのようなものです。

引数は、関数という命令の塊を実行する際に必要とする値です。

戻り値は、関数を実行した後に生成される値です。

これらが、プログラム実行前に実装済みということは、どの値がどのように利用されるか予め決められているということになります。

その結果、エラーの発生する可能性を未然に防ぐことができます。

 

Scalaの開発環境

プロのエンジニアがScalaを使用して開発する場合は、IntelliJ IDEAという統合開発環境(IDE)を使用します。

IntelliJ IDEAは有料ソフトですが、無料の範囲内でも利用が可能です。

IntelliJ IDEAをインストールすることでScalaもインストールすることができ、簡単にScalaの開発環境を整えることができます。

IntelliJ IDEAの国内代理店サムライズムでは、国内用アカウントの割引セールを行っていることもあります。

Scalaのインストール方法の記事も合わせてご覧ください。

 

Scalaのデメリット

学習コストが高い

Scalaは非常にメリットの大きい素晴らしい言語です。

どの言語でも使いこなせるなら、Scalaを選択する人も多いでしょう。

しかし、Scalaを選択できない大きな理由として、学習コストが高いことがあります。学習コストが高いというのは、習得するまでに時間がかかるということを意味します。

具体的に何が難しいかというと、オブジェクト指向言語と関数型言語の両方を十分理解した上で使うことで、はじめてScalaの素晴らしさをプログラムとして反映できる点にあります。

学習コストが高いというデメリットは有るものの、デメリットが学習コストしか無いという考え方もできる素晴らしい言語だと言えるでしょう。

 

今回は、Scalaとはどんな言語なのか、どんなメリット・デメリットがあるのか解説しました。

Scalaを学び始めようと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

 

また、オンラインのプログラミングスクールTechAcademyでは、Scalaオンライン講座を開催しています。

Scalaを使ってWebアプリケーションを開発することができます。

現役エンジニアがパーソナルメンターとして受講生に1人ずつつき、マンツーマンのメンタリングで学習をサポートし、最短4週間で習得することが可能です。

この記事を監修してくれた方

中本賢吾(なかもとけんご)
アジマッチ有限会社 代表取締役社長

開発実績:PHPフレームワークを利用した会員制SNS・ネットショップ構築、AWSや専用サーバー下でLinuxを使用したセキュアな環境構築、人工知能を利用したシステム開発、店舗検索スマホアプリ開発など。

その他にも地域の職業プログラマー育成活動を行い、2018年には小学生がUnityで開発したオリジナルAndroidアプリをGooglePlayでリリース。ゲームで遊ぶより作ろうぜ!を合言葉に、小学生でも起業できる技術力を育成可能で有ることを証明し続けている。

情報提供元:TechAcademyマガジン
記事名:「人気のプログラミング言語!Scalaとは【初心者向け】