「ペース・オブ・エイジング(PoA)」とは、老化のペースを表す意味の言葉。近年、医療界・美容界でもホットトレンドとして注目を集めています。

エイジングといえば、美容界では「アンチエイジング」というワードが、もはや一般用語となっていますが、アンチエイジングは「老化に抗う」という意味。

一方の「ペース・オブ・エイジング」は「老化のペースをコントロールする」という意味や考え方で使われ始めています。

この世界に生きるものはみな自然と老化していくものですが、その老化ペースをコントロールすることなんてできるのでしょうか?

そこで、ウェルネス総合研究所が行ったペース・オブ・エイジングに関するセミナーに参加し、実態を調査してきました。
老化には「波」がある
セミナーでは、メディアに出演などでおなじみ、医師の石原新菜先生(イシハラクリニック副院長)が登壇。

まずペース・オブ・エイジングについての、海外の研究状況を話してくれました。



各国とも、加齢医療・老年医療などの研究が進んでいるなかで、まず驚いたのが「老化には3回の波がある」というもの。

これはスタンフォード大学の研究結果によるもので「34歳、60歳、78歳の3つの年齢をピークに、タンパク質の急激な変化(増減)」が段階的に起こることが分かったそう。

つまり、老化は、加齢に伴い一定に進むわけではなく、特に注意しなければならない加齢の波が「34歳、60歳、78歳」ということ。

この時期に適切なエイジングケアをすれば、老化を鈍化させることができるかもしれません。
同じ「1年」でも、老化スピードは人それぞれ


また、アメリカのデューク大学の研究によると「老化スピードは人それぞれで、かなり開きがある」という結果も。

ある地方で生まれた同年代1,037人の健康追跡調査を行ったところ、1年間に老化(生物学的年齢)が0.4歳しか進まない人と、2.44歳も進む人がいるとのことが分かったというのです。

加えて、この老化(生物学的年齢)の進行が早い人ほど、見た目も「老け見え」だったということが分かりました。

1年でこれだけ差があるということは、積み重なっていくとかなりの差になるというもの。自分はどちら側の人間なのか、気になります。

こうした老化の進み具合の差に関しては「遺伝要因が2~3割、環境要因が7~8割」と考えられている、との研究結果も出ているそう。

つまり、遺伝要因はあれども環境要因となる「生活習慣」が改めて大切である、というわけですね。
ではどうやったら老化スピードを緩めることができるのか


食事・栄養習慣や運動習慣、睡眠習慣や周辺環境などを整えていくと、ペース・オブ・エイジングが緩やかになると考えられています。

働き盛りや子育て世代は特におろそかにしがちな「食事習慣」や「生活習慣」ですが、特に「栄養バランスのとれた食生活」を心がけることが大切だそう。

日本人女性の30代の栄養摂取状況と、厚生労働省が定めている日本人の1日の食事摂取基準を比較すると、23成分中、ビタミン類・ミネラル類など14成分も足りていないという状況が続いているとか。

石原先生曰く「地中海食や沖縄料理などビタミンやミネラル類を豊富に含んだ栄養価の高い料理を普段の食事に取り入れたり、サプリ等の栄養補助食品も活用してケアできたらいいですね。」とのこと。



老いは誰しもに訪れるもの。ただし、その「老い」の時計を緩やかにすることで、長い期間、美しく、若々しく、かつ健康でいられるかもしれません。

スキンケアなど外側からのアプローチはもちろん、体の内側からのエイジングケアも意識することが、美しさを保ち続けられる秘訣になるかもしれませんね。

 

取材/執筆:わとさ とわ

ライターのほか企画やマーケなどウェブなんでも屋を開業中。私生活は15歳JK、12歳DS、7歳JSの3児を持つ、都内のすみっこ在住のアラフォーママですが気持ちはいつも若者めいています。特技はマルチタスク。得意ジャンルはゲーム、ガジェット、テック、流行りもの、ミュージカル、子役、猫、教育、習い事、お受験。

情報提供元:ANGIE
記事名:「30歳からの意識で老化速度が変わる!? エイジングのトレンドワード「ペース・オブ・エイジング」とは