健康や美容が気になる女性としては、糖質やカロリーが気になるところ。でも美味しいものが欲しい…!

そんなニーズに合わせてか、低糖質の食べ物や飲み物が増えていますね。でも低糖質のドリンクやお菓子って、味気ないというか、「正直あんまり美味しくない…」と思っている人も多いのでは。

そこで今回は、2024年のリニューアルでさらに味わいを高めるリニューアルを実現した「キリン一番搾り 糖質ゼロ」の開発担当者である宮下英理子さんに、インタビューを実施!

糖質を少なくすることと美味しさを保つことのバランスをどう保っているのか、その背景や開発秘話、今後の展望についてお話を伺いました。
糖質ゼロビールの開発秘話
まずは、宮下さんが担当した「キリン一番搾り 糖質ゼロ」の開発秘話についてお聞きしました。
――まずは「キリン一番搾り 糖質ゼロ」を開発するに至った背景を簡単に教えてください。

出典:プレスリリース


きっかけは、弊社の飲料未来研究所の研究員が、育休中にママ友と交わした会話でした。

「ビールは好きだけど、お腹周りの脂肪や糖質が気になって1杯目しか飲めない、2杯目からはハイボールに切り替えてしまう」という声を聞いたそうです。

そこから「2杯目、3杯目も糖質を気にせずガブガブ飲めるビールがあれば良いのではないか」という発想が生まれました。(宮下さん)
――糖質ゼロであることに加え、おすすめしたい特徴はありますか?


まず、糖質ゼロでありながら、プリン体もオフであることも大きな特徴です。体に優しく、かつ美味しいビールを目指しました。

また「一番搾り」の冠を持つビールとして、仕込み工程で、通常は一番搾りと二番搾りの両方を使用するところを、最初に出てくる一番搾りだけを使用しています。

これにより、澄んだ麦の味わいやクリアな麦のうまさを実現しています。(宮下さん)
――宮下さんご自身は、「キリン一番搾り 糖質ゼロ」をどのように楽しんでいらっしゃいますか?

出典:プレスリリース


私自身、体に気を遣うタイプで運動もよくしているのですが、マラソンやバドミントンなど大事なスポーツイベントの前には、糖質ゼロのビールを選んで節制するようにしています。

普段は通常のビールを飲むこともありますが、イベント前はやはり糖質を気にして「キリン一番搾り 糖質ゼロ」を選びますね。

また、私は質素な料理が好きなのですが、そういった料理には濃すぎないビールが合うんです。

クラフトビールなど濃い味わいのものだと、逆に食事が薄く感じてしまう。その点、「キリン一番搾り 糖質ゼロ」は料理とのバランスが取りやすく、日常使いに最適だと感じています。(宮下さん)
3つの製法変更で実現。さらなる味わいの進化が好評!
4月製造品より中味・パッケージともにリニューアルされています。どのようなリニューアル内容か、その特徴を伺いました。
――2024年のリニューアルでは、製造過程における3つの製法を変更したそうですね。それぞれについて詳しく教えてください。


1つ目は、一番搾りと同じ糖化方法であるデコクション法を採用しました。

これは、2つの釜を使用する方法で、一方で徐々に温度を上げながら麦芽の大きなデンプン質を分解し、もう一方では高温で煮沸します。

この方法により、分解されづらい大きなデンプン質が残り、コクや飲み応えが増します

2つ目は、麦汁冷却後にホップを添加して7日間漬け込む方法を取り入れました。

通常、ホップは麦汁煮沸時に添加しますが、冷却後に添加することで苦味や渋みを抑制し、より華やかなホップの香りを引き出すことができます

3つ目は、発酵条件の調整です。発酵温度や酸素供給量などを細かく調整することで、発酵由来の豊かな香りを増すことができました。(宮下さん)
――2023年にリニューアルを行い、前回から間もない2024年のリニューアル。好調に満足せずリニューアルした理由はどんなところにありますか?
確かに2023年のリニューアルでは好評をいただき、売上も好調でした。しかし、我々開発チームとしては、まだ次への課題があると感じていました。

お客様からの評価や市場の反応を見ながら、さらに味を良くしたいという思いが強くあったんです。

また、糖質ゼロビールの市場が拡大し、競争も激しくなっている中で、常に先を行く製品でありたいという思いも。

お客様の期待に応え続けるためには、現状に満足せず、常に進化し続ける必要があると考えています。(宮下さん)
――リニューアルにあたって最も意識したポイントは何でしょうか?


一番は、味として飲み応えアップを目指しました。ただし、がっつりとした重い味わいになるのは避けたいと考えました。

ビールらしい満足感のある飲み応えを達成しながら飲みやすさを維持する、そのバランスが一番意識したポイントです。(宮下さん)
――発売から4年、本商品を取り巻くお客様や世の中の変化や今後の展望を教えてください。


当初は「糖質ゼロだから美味しくない」というイメージが強かったのですが、開発を重ねることで「糖質ゼロなのに意外と美味しい」「普通のビールと変わらない」といった声を多く聞くようになりました。

糖質ゼロでありながら味も劣らない、機能系ビールとしての立ち位置が確立されてきたように感じます。

とはいえ、まだまだ味は改良できる余地があると考えています。今後も、チャレンジングではありながら、より美味しくなる製法を探求し続けていきたいと思います。

そして、「糖質ゼロ」というだけで敬遠している方々にも、ぜひこの美味しさに気づいてもらいたいですね。

最終的には糖質やプリン体の数値ではなく、「この味が好きだから選ぶ」という選択をしてもらえるような存在になると嬉しいです。(宮下さん)

 

健康や体型が気になる男性はもちろん、多くの女性は「糖質やプリン体は避けたい、でも美味しくないものは飲みたくない」というのが本音ではないでしょうか。

しかしそんな相反するニーズに応える商品を作るのは非常に難しく、高い技術が必要であるということが、今回の取材を通して伝わってきました。

そんな中、「キリン一番搾り 糖質ゼロ」は発売から累計6億本突破、5月単月の販売数量は前年比約2割増と、多くの消費者の心を掴んでいるようです。

 

そもそもの開発のきっかけが、子育て中のママとの「こんなビールが欲しい」という会話だったという本品。

宮下さんはじめ、女性開発担当者さんたちの努力とこだわりにより、私たち女性のニーズが詰まったビールとも言えるのかもしれませんね。

情報提供元:ANGIE
記事名:「誕生は育児中ママの一言がきっかけ!「キリン一番搾り 糖質ゼロ」美味しさとの両立を実現した女性開発者にインタビュー!