「望まれていながら提供されていなかったものを提供する」を理念に、介護業界に利⽤者の⽴場から徹底的に考え設計されてきた商品やサービスを提供してきた株式会社ハンディネットワークインターナショナル。2017年からは外国⼈介護⼠の教育・紹介事業を展開し、⽇本の介護問題の解決に尽⼒するのみならず、外国⼈介護⼠を取り巻く環境整備を進めている。同社の代表取締役を務める春⼭哲朗⽒に取り組みを⾏う背景と想いについて伺った。

インドネシアの医療⼤学で直接⼈材を募集。定着率の向上に寄与するきめ細かな⽀援

海外から受け⼊れが進む外国⼈介護⼈材。2023年時点では介護分野で働く外国⼈の在留者数は約4万⼈に上り、国内の深刻な⼈⼿不⾜の問題も相まって⼈材獲得が急務となっている。しかし、彼ら外国⼈にとって慣れない異国の地で介護という重責を担う苦労は、我々の想像を絶する。

インドネシアから特定技能介護⼠の教育から受け⼊れ、定着事業を⾏っているハンディネットワークインターナショナルの代表を務める哲朗⽒は、「介護現場では労働者の定着が最⼤の課題」と明かす。「離職率の⾼さに加えて、⽇本に来てくださる労働者の⽅に⼊国時の資⾦負担を強いる現状が問題でした。それを解決する⽅法を模索していきました。」

哲朗⽒は、インドネシアの医療⼤学とパートナーシップを結び、雇⽤主が外国⼈労働者の⼊国資⾦を負担。これにより仲介ブローカーが⽇本での就労を希望する⽅からお⾦を受け取る旧来のシステムを排除した。2022年3⽉から本格的に受け⼊れが開始されてから現在130名以上が現場で活躍している。そのうち、離職者は1名という驚異的な成果をあげた。

「離職の原因となるコミュケーション⼒を⾼める語学教育から、外国⼈介護⼠たちが抱える悩みを⽇本在住歴が⻑いインドネシア⼈スタッフに相談できる機会を設けるなど、独⾃の⽀援を⾏なっています。適切な⼈材募集と教育、奨学⾦プログラムの推進、そして適切なサポートを提供することで、⼈材が定着できると考えています。」

留学先のアメリカで⽬撃した⼈⽣の最後まで輝きながら過ごす⾼齢者の姿

同社は哲朗⽒の⽗・春⼭満⽒が1987年に創業。満⽒は難病で⾸から下が動かなくなり、利⽤者として本当に求める介護機器やサービスを開発し、世に送り出してきた。そんな満⽒のもとに毎⽉のようにテレビや雑誌などの取材が⼊る状況で、哲朗⽒は複雑な思いを抱くようになっていく。「周囲の⼈から声をかけられると、私のことより、まずは⽗の話になってしまう。 年齢を重ねる中で⽗に対する反発⼼が強くなっていきました。」その思いから哲朗⽒は⾼校卒業後、満⽒のことを誰も知らない環境で学びを得ようと、ハワイの語学学校へ留学。その後、ホテル学に関⼼を持ち、ラスベガスの⼤学へ進学した。

ある⽇哲朗⽒はラスベガスへ⾼齢者施設専⽤のバスでやってきた団体を⽬にする。点滴器具をつけながらカジノへと⾜を運び、スロットマシンの前に座る⾼齢者の姿を⾒て、⼤きな衝撃を受けたという。「⽇本の介護は暗いイメージがあり、どうしても魅⼒を感じない分野だったのですが、アメリカの介護サービスはこんなにも⾃由なんだと、そんなイメージを覆す明るい光景だったのです。」⼈⽣を最後まで輝いて過ごすという⽗が⽬指していた世界をそこで実感した哲朗⽒は、満⽒が⾏なっている価値を変える仕事に惹かれ、同社に⼊社した。

哲朗⽒は⽇々の仕事の中で、満⽒の偉⼤さを感じるようになったと話す。「例えば、寝たきり状態の⼈は、床ずれを起こさないように、数時間置きに⾝体の向きを変える必要があります。そのため、介護する家族の負担は少なくありません。そこで⽗は、⾳声だけで⾝体の向きを変えられるベッドを開発したのです。」⾰新的な事業の数々に触れ、哲朗⽒は介護事業への思いを強くしていった。2014年、満⽒の死去に伴い、哲朗⽒は代表取締役に就任した。

⺟国でのセカンドキャリアをサポートし、「働きに⾏きたい」と思われる⽇本へ。

特定技能介護⼠を活⽤し、介護現場の⼈⼿不⾜を解消する取り組みが順調に進む中で、哲朗⽒は今後を⾒据え、新たな動きを計画している。「海外からの労働者は、より良い⽣活を⼿に⼊れるために⽇本にやってきます。これだけ円安が続くと今後はますます他の先進国と⽐べ、給与⾯で⾒劣りしていくでしょう。だからこそ、それ以外のメリットを打ち出さなければ、⽇本は彼らから働きたい国として選ばれなくなるに違いありません。」その思いから、 彼らが帰国した際により良いセカンドキャリアをスタートさせられる事業の展開を予定して いる。特定技能介護⼠の帰国後の⼈⽣をサポートするというメリットを⽣み出すことで、働き先に⽇本を選んでもらうことが狙いだ。

「特定技能介護⼠の皆さんとより良い関係を結ぶことで、⽇本の社会も安定し、彼らの国も豊かになっていきます。こうした喜びを分かち合えるサービスを⽣み出すことが、⽇本を⽀える⼤きな⼒になっていくと信じています」と、⼒強い表情で語ってくれた。国と国の架け橋となり、⽇本のみならず相⼿国の繁栄も⽬指す同社の事業。今後の展開に注⽬したい。

株式会社ハンディネットワークインターナショナル
https://www.hni.co.jp/
代表取締役 春⼭ 哲朗(はるやま てつろう)

情報提供元:マガジンサミット
記事名:「介護サービスを変⾰させた⽗の意思を受け継ぎ、介護現場を根底から変える事業を展開する