ブロードマインド株式会社は、学校向け金融教育として、仮想人生体験ゲーム「ライフプロデュース」を活用した出前授業の提供を開始した。それに伴い、10月23日に都内の小学校にて、ゲームの監修者である沼田晶弘氏の特別授業が実施された。
ブロードマインド株式会社は、保険、証券、住宅ローンなど、さまざまな金融商品を取り扱う企業であり、これまでの金融業界にとらわれない斬新なサービスを展開している。今回提供を開始した「ライフプロデュース」を活用した出前授業は、ゲーミフィケーションの要素を取り入れており、ゲーム感覚で楽しく金融について学ぶことができる内容となっている。
日本の金融リテラシーの低さが問題視
金融広報中央委員会が実施した「金融リテラシー調査2022年」の結果によると、学校などで金融教育を受けた人の割合は米国で20%であるのに対し、日本はわずか7%にとどまっており、この低さが問題視されている。また、OECDの調査と比較しても、日本の金融知識に関する設問の正答率は、主要国である英国、ドイツ、フランスのいずれにも及ばない結果となっている。
これを受け、政府は2028年度末までに、金融経済教育を受けた人の割合を現状の7%から20%に引き上げるという目標を設定している。この目標を達成するには、今後5年間で約1,200万人に対して金融経済教育を実施する必要があり、ゲームを活用することで、楽しみながら理解を深められる点も期待されている。
子どもたちが「ライフプロデュース」を体験
まず、4人1組でチームを編成し、職業や趣味、結婚や子育てなどの「叶えたいことリスト」から3つを選択する。ゲームはすごろく形式で進行し、プレイヤーは「就職」や「引っ越し」など人生のライフイベントが書かれたカードに対し、各イベントの実行時に趣味などの経験や転職、結婚など、のカードを用いて行動を選択する。選択にはお金と時間をコインとして消費する仕組みとなっており、全てのライフイベントを実行した後、達成した「叶えたいこと」を得点に反映し、最終的に集計が行われる。
この授業の大きなポイントは、ゲームを2回実施することだ。1回目で経験したお金や時間の使い方を生かして、2回目の人生にチャレンジする。ゲーム終了後に子どもたちに感想を聞くと、「2回目は1回目よりも点数を上げることができた。1回目は転職に対して不安があり挑戦しなかったが、2回目は転職を選んでみた。1回目の経験があったことで、2回目は新たな視点でチャレンジすることができた」とコメント。
ゲームの監修を担当した小学校教諭・沼田晶弘氏は「人生は一度きりですが、もし二度目があれば、もっと準備できることもあったのではないかと思います。実際、日本人は何歳で何をするかという計画を立てる力が弱いのです」と指摘した。さらに、「なんとなく人生を送ってしまうと、必要な備えができませんが、自分で考えてシミュレーションをすることで、どのタイミングでお金や時間が必要かを理解した上で人生を歩むことができます。これは、その経験をしてもらうためのゲームです」と語った。
人生において、どのようなイベントが起こるかを予測できれば、必要な時にお金や時間を効果的に活用することが可能となる。多様性が進む現代社会においては、ゲームを通じてライフプランの大切さを学び、各自が自分らしい幸せを追求できるようになることが重要になってくるのではないだろうか。
情報提供元:マガジンサミット
記事名:「カードゲームで人生設計?小学生が体験”お金と時間”の使い方!金融教育について楽しく学べる仮想人生体験ゲーム「ライフプロデュース」を取材!」