2004年7月に世界遺産に登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」。このたび、明治大学駿河台キャンパスにて、「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されてから20周年となることを記念したシンポジウム「南方熊楠と熊野」が開催されます。
紀伊山地の霊場と参詣道
世界遺産に登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」は、山岳修験の「吉野・大峯」、真言密教の「高野山」、自然崇拝の「熊野三山」といった霊場と、それらを結ぶ参詣道から成り立っています。
異なる3つの霊場が繋がり、影響を与え合いながら存在していることは世界的にも珍しく、景観と精神性も評価され世界遺産に登録されることとなりました。その中でも、熊野は性別や身分、浄不浄、信不信を問わず人々を受け入れたとされています。
南方熊楠
南方熊楠は、生物学者や民俗学者などとして活動した人物で、明治末期から大正初期に政府の神社合祀令より熊野の森や神社林を守るために行動したとされています。
また、南方熊楠は古くからある地域の神社はコミュニティの精神的土壌であり、文化や伝統の中心であるという考えから、熊野の神社を守ることに力を注いだとされ、現存する世界文化遺産「熊野古道」や熊野の森、神社など、南方熊楠によって守られたものは少なくありません。
シンポジウム「南方熊楠と熊野」
今回、明治大学駿河台キャンパスにて開催されるシンポジウム「南方熊楠と熊野」では、「熊楠を通じてこれからの熊野をどのように捉えるのか」、「これからの熊野が果たしていく役割」というテーマで基調講演、パネルディスカッションを実施。熊野の持つ自然や文化の魅力、神秘性などについて語り合います。
シンポジウム出席者
■基調講演「熊野にわけいった熊楠」
講師・中沢新一氏
1950年山梨県生まれ。人類の思考全般を視野に入れた知のあり方を提唱。人類学のみならず、歴史、哲学、民俗学、経済学、自然科学の分野にまたがる広汎な研究に従事する。
■パネルディスカッション「熊楠の見た熊野、そして、これからの熊野」
島田雅彦氏
1961年東京都生まれ。法政大学教授・小説家。芥川賞選考委員。1983年に「優しいサヨクのための嬉遊曲」でデビュー。主な作品に「夢使い」「彼岸先生」「自由死刑」など。
高森玲子氏
1969年富山県生まれ。東京大学卒業後に出版社に勤務し、占いや精神世界ジャンルのヒット作を多数手がける。現在は東京と熊野を行き来しながら執筆、講演などを行う。
真砂充敏氏
1957年和歌山県生まれ。田辺市長。和歌山県中辺路町議会議員を経て1996年中辺路町長に就任。2005年、新制田辺市の初代市長に就任。現在5期目。
志村真幸氏
1977年神奈川県生まれ。慶応義塾大学准教授、南方熊楠顕彰会理事。南方熊楠研究を専門とし、主な著書に「南方熊楠のロンドン-国際学術雑誌と近代科学の進歩」など。
シンポジウム「南方熊楠と熊野」の概要は以下の通りです。
日時 2024年12月15日 14:00~16:30
会場 明治大学駿河台キャンパスリバティホール(リバティホール内)
入場料 無料
席数 400名(事前申込制)
情報提供元:マガジンサミット
記事名:「「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20周年を記念したシンポジウム「南方熊楠と熊野」が開催」