2022年10月よりNHK総合テレビにて毎週日曜午前0時(土曜24時)に放送中の『弱虫ペダル LIMIT BREAK(リミット ブレイク)』より、箱根学園コンビ・代永翼と野島健児のインタビューをお届けする。
週刊少年チャンピオン(秋田書店)で絶賛連載中、渡辺航先生による自転車ロードレースコミック「弱虫ペダル」。マンガやアニメが好きな高校生・小野田坂道が、自転車競技部の仲間と出会い、ロードレースの世界で成長していく姿を描いた大人気作品のTVアニメシリーズ“第5期”が、『弱虫ペダル LIMIT BREAK(リミット ブレイク)』として放送中!
2度目のインターハイで連覇を目指して走る坂道たちの闘いも、いよいよ最終局面へ! 全国の強豪校と激しくぶつかりあう真夏のインターハイ3日目のレースがついに描かれている。
総北高校のライバル校、箱根学園(通称、箱学)の真波山岳役・代永翼と、黒田雪成役・野島健児に、今作への想いと2人の見どころ、今後の見てみたい展開についても伺った!
――まず、第4期「GLORY LINE」で印象に残っているシーンを教えてください。
代永:総北は鏑木くんを青八木さんが迎えに行って「恋のヒメヒメぺったんこ」を歌うシーンがあったんですけど、あのときの(青八木役の)松岡くんが緊張しているのが凄く伝わってきて。まだコロナ禍前でみんなで収録出来ていたので、休憩所でひたすら松岡くんが(小野田役の)山下くんに「これでいいのかな!?」と音程を聞いていたのが印象的でした(笑)。でも、(鏑木役の)下野さんはそこはあまり確認していないのがさすがだな、と(笑)。それでも合わせて行くというスタイルが、やっぱりあの先輩すごいな!と思いました、松岡くんのを聴いて歌うから(笑)。
野島:すごいよね、さすが歌のプロ(笑)。
代永:本番は僕らはブースの外に居たので画面から流れてくるのを聴いていたんですけど、あんなにエネルギッシュに歌っているなんて,流石だなと思いました! あと、古賀さんがバトンを繋いでいくシーンで鏑木くんのところに行っていたところとか、レースには出ていないけれど一緒に走っているようで、総北らしいなと思いました。
真波は4期はそこまで活躍していないので、僕としては黒田さんの葦木場さんへ想いを届けるシーンがハコガクでは印象に残っています。黒田さんがあんなに怪我をして血だらけになっているのが、ハコガクの伝統なのかな?と(笑)。荒北さんのときもボロボロになりながら運んでいたのもあったので、運び屋さんの流れみたいな。
野島:運び屋さんって怪我する伝統があるのかな(笑)。
代永:壁際ギリギリを走るのが好きですよね。
野島:みんな身を削っている印象があるよね。
代永:ギリギリを走ってコーナーラインを取っていくというのがあるので。そこも先輩から後輩に繋がれていくハコガクの想いを感じました。
野島:3秒削ると言って、僕は正直あそこまで転ぶほどのことをするとは思っていなかったですし、もし大怪我をしてしまって、まだレースは次の日も続くのにあそこでリタイアになる可能性もあるなど副キャプテンとして考えなかったのか?とか収録前は色々思ったりもしたんですけど。
でも、黒田はハコガクを育てるためにどんな小さな試合でも出よう、そこでも絶対に負けない、1位を獲るんだ!とずっとチームを作ってきたわけじゃないですか。そういったところで、彼にとっては勝ちに対するこだわりと、勝つことによって強くなるという絶対的な自信と信頼をおいていたと思うんですよね。だからこそ転んで明日ダメになるとかじゃなく、今どうやって自分たちの力を出し切れるのか? その力を出すことで明日に繋げていくという想いがきっと「3秒削る」という決断にさせたのではないかなと思います。3秒どころか体を削っていますからね(笑)、“3秒分、体を削る”というレースの仕方は、もう本能的に出てきたんでしょうね。
彼にとって運び屋としての責任もそうだし、なんとしても葦木場を1位に連れて行かきゃいけない、押し出さなきゃいけないという、その本気さみたいなものを一番強く感じたのがアフレコの本番中でした。そういう本気の姿をアフレコしながら黒田に見せつけられて、「野島、お前ももっと本気出さなくていいのか!?」と言われているような気がして。僕も黒田に引っ張って行ってもらって、最後押し出してもらったような気持ちがあのアフレコの思い出として心の中に残っています。
――黒田と真波の見どころは後半にあるそうですが、2人のどのようなやり取りが見られるか教えてください。
代永:葦木場さんと黒田さんがやっていた掛け合いとはまた違う熱さがあるかな、という感じはしますね。真波としては黒田さんがいることによってすごく心強い。黒田さんに背中を押してもらうことが今回いっぱいあるので、それは1期のときとまた違う感じです。
1期のときは福富さんや荒北さんに押し出してもらっていた部分がすごく大きかったんですけど、今回は泉田さんと関わるよりも黒田さんとずっと一緒にいることが多かったので、「こいつなら1位を獲れる」と信頼してもらっているのを感じるシーンやセリフがいっぱいあって。黒田さんと会ったことによって真波がすごく明るい表情になったり、「来てくれた!」という想いを多く感じました。
野島:こんな2人だったっけ?みたいな(笑)。
代永:そうなんですよ(笑)。だから、真波は天然で何を考えているかわからない、というのがこれまで多かったんですけど、たぶん負けたことによって彼の中で意識も変わったところがあるので、結構しっかりしたなと思います。
不思議ちゃんだった部分が3日目のレースが始まってからあまりないというか、黒田さんに付いていったり、「出るな!」と言われたらちゃんと言うことも聞くし。黒田さんが作戦を立てて自分を使うべきところで出す、という筋が1本通っているように感じられる。
野島:やっぱり去年インハイレギュラーを掛けた対決で黒田が負けて真波が勝ったことが初めは受け入れがたい結果で、だからこそきっと黒田は真波のことをものすごく意識したと思うし、研究して彼のことを考えて、その強さを認めてリスペクトしてから、彼に対する信頼の厚さが大きく変わったんじゃないかと思うんです。
自分には出せない、自分とは違う意味の強さを持っているという、黒田のきちんとした考えがあるからこそ彼を活かすことができて、その信頼って伝わるものだと思うし、真波も黒田から信頼されているからこそ、「まだ出るな!」と言われたらちゃんと止まってしっかり話を聞いて出るべきときに出られる。
「それなら勝てる」というお互いの信頼、ある意味クライマーの最強同士がタッグを組んだような関係性がそこにはあるんじゃないかなと思います。本当にハコガクって多くは語っても核心には触れないところがあるので(笑)、言葉には表せない信頼位関係を今回バシバシ感じられましたね。
――1年前より真波も大人な関係を築けている?
代永:なっていると思います。4期で悠人が失敗したときも、やっぱり自分もその経験をしたからこそ、未熟な部分を感じたんだろうなと。悠人に対してすごく先輩的に接しているのを見たときに、「あ、こんなこと言えるようになったんだ、この子は!」と親心じゃないですけど思いました(笑)。でも、やっぱり悠人に教えたのは葦木場さんだし、その教えるべき人がいることは真波の中でも考えて言っているので多くは言わずに。そこは先輩になったなと、2年生になって成長を感じました。それはたぶん黒田さんや泉田さん、葦木場さんのおかげでもあると思います。
――黒田は1日目に血まみれになりながら葦木場をアシストしていましたが、3日目の真波にはどのようなアシストをするのでしょう?
野島:真波へのアシストは「全部任せる」というところじゃないですかね。葦木場に対しては“俺の体がどうなってもいいけどこいつは連れて行くぞ!”という部分があったんですけど、真波に対しては“すべて任せた!あとは俺たちのジャージを運んでくれ!”みたいな、羽ばたいていけ!という責任を負わせられる信頼感。
1日目は黒田はめちゃくちゃ一緒に戦っている感じでしたけど、最終日は任せるという感覚が僕の中ではありました。今までは実力行使で行っていたんですけど、もうこの秘密兵器をポーンと放り出せば大丈夫!という部分は感じました。
僕としても押し出す瞬間に毎回「こいつに決めた!」と某モンスターゲームのボールを投げる感覚でいつも出しているんですけど(笑)、本当に最終兵器が出てきた。1日目は一緒に頑張る、でも最終日は任せる感覚が一番強かったです。
――いよいよインハイ3日目に入りますが、序盤のどころを教えてください。
野島:前回から、その先を楽しみにしていた方の期待感というのはものすごくあると思うのですが、僕らもアフレコ時にそのテンション感と期待感を持って臨ませていただいた分、逆にアフレコのときに熱くなりすぎて、「まだスタートしたところなので、そんなに頑張らなくていいです(笑)」と言われたりしました(笑)。それくらいの熱量を持ちすぎてしまうくらい、僕ら自身も期待感を持ってやらせていただいています。
黒田に関しては、初日思い切り本能的にレースを運んだ分、最終日に関してはすごく慎重に、頭脳となって1つ1つ考えながら進んでいるんですけど、まあ周りが言うことを聞かないことも多くて(笑)。
代永:そうですね(笑)。
野島:そこは信頼関係と、あとその先にあるハコガクの自由にした部分の本当の強さみたいなところ、彼らの可能性というものをきっと黒田も見たいんですよね。キャストも全員が1位を取るつもりで収録していったので、そういうところも1人1人のセリフからも表れているでしょうし、観ている方も絶対誰が優勝するのか、原作を全部読んだ人でもわからなくなると思います。それくらい期待を持って楽しめるように仕上がっているはずです。
代永:総北は3日目最終日なのでちょっと緊張している部分がありつつ、ハコガクは気持ち的に余裕はないとは思うんですけど、まだエンジンをかけるにはペースを考えてスタートしている部分があるので、そこの違いを楽しんでもらえるんじゃないかなと思います。
何よりも京都伏見がどういう出方をするのかが一番ね?
野島:見どころにはなりますよね(笑)。
代永:たぶん序盤から謎な動きだったり、小鞠くんとかもどうなっていくのかな?というところからスタートするので、そこの部分を楽しんでもらえると思います。4期の2日目が終わったところからスタートするので序盤からもう熱いといえば熱い。それぞれの優勝を狙っていく、もう最終日、最後の3日目なので、その想いを1話目から感じてもらえるんじゃないかなと思います。
真波的には、第1話から遅刻はしているので(笑)。でも黒田さんや泉田さんとかにも言われていますけど、集中力を高めるために真波がやっていることなので。彼は天然なので、わざと遅刻しているように見えるんですけど、3日目にかける想いというところで気持ちを落ち着かせる部分で割りと自分を落ち着かせてギリギリまで平静を保って最後の山にかけるという想いを持ってきているのかな、と思います。
「遅刻とは余裕だな」みたいに黒田さんに言われたりするんですけど(笑)、でもハコガクのみんなはわかってくれているので真波に「それでいい」と言ってくれるので。そういうところもハコガクの絆の強さみたいな、信頼してくれているんだな、と1話目から感じでもらえると思います。
野島:でもきっと「その先めっちゃ頑張って貰うからな、覚悟しておけ」っていう意味が含まれているよね。
代永:黒田さん的にはね!釘も刺されていると思います。
野島:「今じゃないからな、あとでよろしく頼む」みたいな。
代永:それはたぶんありますよね(笑)。
――今回第5期でインハイ3日目のゴールまで描かれますが、今後「弱ペダ」の展開で期待することがあれば教えてください。
野島:黒田さんの留年かな……。
代永:嘘でしょ(笑)!? あんなに自分ですごいエリートって言っていたのに、まさかの(笑)?
野島:ハコガク最高!って言って(笑)。
代永:泉田さんと一緒に高みを目指していくと思いきや?
野島:高みを目指したいよ(笑)。でも育ててくれた場所ですから、ハコガク箱学は。本当の彼の人生はその先にあるので、これだけ経験を積んできたから、どんな社会に出ても勝つ道を拓いていける存在だと思うんですけど、意外にハコガクに先生として関わっていくのも面白いですよね。今後は遠く離れたり、別々のまったく違うジャンルで普通にIT企業に務めていたとしても、彼にとってのハコガクへの想いは強いので、今後なんだかんだで関わっていってほしいし、きっとそうするんだろうなと思います。
代永:僕は荒北さんと黒田さんが一緒に勝負する姿を見てみたいです。ライバルじゃないですけど、苦手な相手だからこそ、お互い思い合うところもありつつ。あのとき言っていた「一番嫌いなヤツに 頭下げたことあるかよ?」のセリフがどう活かされてくるのかなって。「一番嫌いな奴に頭下げてまで強くなりたい」と想いがあるのをお互いが感じているという部分で、2人が自転車に乗って勝負したらどう分かち合いになるのかな?みたいなのは見てみたいです。
野島:見てみたいけど、見たくない気もする。決着をつけちゃいけない勝負もあるのかもしれない……。だからこそ見たいのもあるけど(笑)。
代永:あと、悠人と新開さんが兄弟2人で走るところも見てみたいし、そういうハコガク箱学のその後の繋がりはずっと見ていきたい。東堂さんと真波もまた勝負してほしいなというところはあるし。追い出しレースで負けちゃっているので、いずれ勝ちたいな!というのはあるんですよ。やっぱり先輩を越えなきゃいけないところもあるので。あとは、泉田さんがどこまで筋肉を極めるのか(笑)。
野島:もう違う世界に行きそう(笑)。
代永:さらに新しい部位が増えるのか、そして髪型が変わるのか?すごい気になる(笑)。あとは卒業生と在校生のハコガク箱学メンバーでわちゃわちゃ、みんなでまた東堂庵に行って宴会じゃないですけど、お疲れ様会みたいなのをやってほしいな、というのはありますね!
野島:勝負と離れた世界でね。ずっと描かれているのが緊張感のある話だから(笑)。
代永:王者というレッテルが彼らを縛っていた部分も大きいと思うので、それが外れた部分の彼らは、少し気が楽になっているんじゃないかなと。その外れた瞬間は見てみたいですね。
――スピンオフなどがあったらぜひ観たいですね! ありがとうございました!
【作品情報】
『弱虫ペダル LIMIT BREAK』
2022年10月9日(日)午前0時 ※土曜24時よりNHK総合テレビにて放送開始
2度目のインターハイで連覇を目指して走る坂道たちの闘いも、いよいよ最終局面へ!
王者奪還に燃える箱根学園や、独自の戦略で勝利のみを求めて走る御堂筋、そして仲間たちと繋げてきた想いを胸に、全力でペダルを回す坂道。
最後の力を振り絞り、限界を突破して、栄光のゴールラインを超えるのは誰なのか――。
今、約束の時――!
■STAFF
原作:渡辺 航(週刊少年チャンピオン)
監督:鍋島 修/脚本:砂山蔵澄/キャラクターデザイン:番 由紀子/メカデザイン:水村良男・秋篠デンフォワード日和/
ライドデザイン:堀内博之/美術設定:泉 寛/美術監督:吉原俊一郎/色彩設計:中尾総子/3DCGスーパーバイザー:佐々
木俊宏/CG監督:藤谷秀法/撮影監督:葛山剛士・金 光俊/編集:坂本久美子/音響監督:高寺たけし/音楽:沢田 完/
アニメーション制作:トムス・エンタテインメント
オープニングテーマ:「Keep going」04 Limited Sazabys(日本コロムビア)
エンディングテーマ:「PRIDE」Novelbright(UNIVERSAL SIGMA / ZEST)
■CAST
<総北高校>
小野田坂道:山下大輝/今泉俊輔:鳥海浩輔/鳴子章吉:福島 潤/
手嶋純太:岸尾だいすけ/青八木 一:松岡禎丞/鏑木一差:下野 紘
<箱根学園>
真波山岳:代永 翼/泉田塔一郎:阿部 敦/黒田雪成:野島健児/
葦木場拓斗:宮野真守/銅橋正清:小野大輔/新開悠人:内田雄馬
<京都伏見>
御堂筋 翔:遊佐浩二/岸神小鞠:福山 潤
公式ホームページ: http://yowapeda.com/
公式twitter:@yowapeda_anime
(C)渡辺航(週刊少年チャンピオン)/弱虫ペダル05製作委員会
情報提供元:YESNEWS
記事名:「TVアニメ『弱虫ペダル LIMIT BREAK』代永翼&野島健児インタビュー クライマー最強タッグの信頼感!真波へ「全部任せる」」