SNS社会の光と影を独自のタッチで描く全く新しい感覚の映画『#ミトヤマネ』が公開中、世界中で人気を得るインフルエンサー、「山根ミト」を演じるのは、俳優・モデルとして幅広く活躍し、最近では主演映画が目白押しの玉城ティナ。現代社会の「闇」とも言えるデジタル、SNS社会の怖さを独特なセンスと現代社会に沿った世界観で描きます。

―玉城さん演じる山根ミトは、世界中で人気を誇るカリスマインフルエンサー、稲葉さんはミトのマネージャーで、怪しい雰囲気を醸し出しているという役どころでした。

玉城:宮崎監督がわたしを起用してくださったということが、とてもしっくりくる作品だなと思いました。脚本を読ませていただいた時から、自分だったらこういう風に演じられる、という確信があった作品でした。

稲葉:とてもビジュアルに特徴のある役柄で、物語の関わり方としてエッジを効かせようと思えば、いろいろな足し算ができる役柄だと思いました。ただ、宮崎監督と話していくなか、自分の中でいかに削ぎ落としてプレーンにやれるかということを意識して演じました。

―SNS社会が背景にある世界観だと思いますが、キャラクターを演じる上ではどのようなことに気をつけましたか?

玉城:お話をいただいた時に「人気のあるインフルエンサーの役です」ということをうかがい、インフルエンサーと芸能人の境目がなくなって来ている実感があるので、彼女と自分の普段の仕事内容は変わらないと思う一方で、何かをしでかそうとしていると思われてもよくないなと思いました。最初はファンのほうが多いというインフルエンサーだったので、キャラクターを派手に付けるより、理由は分からないが人気があるように見せようと、フラットな演技を心がけました。

稲葉:試写会が終わった後に観た方から「田辺って気持ち悪い役だったな」と感想が届いたそうなんですよ(笑)。自分の中で「そう見えたのか」と意外に思えた部分があったので、自分が役作りをしたものがこの作品の中でどう活きるのか、これから観ていただくみなさんにどう感じていただけるか、というところが田辺として楽しみででした。

玉城:ただ、今回はたまたまカリスマインフルエンサーというキャラクターですが、ひとりの女性のお話なので、インフルエンサーじゃなくても成立するような、普遍的な内容だなと思っています。すごくしっくりくる役柄ではあったのですが、今までに演じたことのない役柄でもあったので、自分なりに考えて最善が尽くせたのではないかなと思います。

―劇中で流れるいくつかのテーマについては、いかがでしょうか?

稲葉:SNSを扱っていますが、僕はある種のリアルのほうを感じました。虚像を立たせれば立たせるほど、リアルを考えさせられる作品のような気がしたんです。何が真実かということよりも、物事はずっと多面的だし、いろいろな真実があると思うんです。

玉城:この映画は言葉にすると難しいんですよね。観る人が何を軸するかにもよると言うか、ミト目線なのかミホ目線なのか。ミホ目線で言うと、これまでの映画でも描かれてきたような友だちの人生がほしいということ。人の人生が羨ましくて、自分が何を信じているのかわからなくなってしまった、ということを描いていると思うんです。

ただ、わたしが作品を通して思ったのは、ミト自身は何も変わっていなくて、周囲の人たちがあたふたしていると思うんです。彼女は基本的に受け身で、人から言われたことをわりと真面目にやっている感じなので、彼女がおかしいとは観られたくはなかったです。

―最後になりますが、映画を待っている方へメッセージをお願いします。

玉城:主演を務めさせていただいて演じたことがない役柄だなと思いましたし、「観たことない映画だな」ということが、よくある言葉ではなく本心として思えた映画です。映像体験として、スクリーンで浴びながら観ていただくことが相性がいい作品だと思うので、気に入っていただいた方は何回もスクリーンで体験してほしいなと思います。SNSが題材の作品なので、みなさんのお力で広げていただけたらすごくすごくうれしいです。

稲葉:映像体験、音楽体験としてもとても楽しい映画だと思うので、そういったところも楽しんでいただければ何よりですし、少しでもこの作品が広がるようお力添えをいただけたらうれしいです。作品のテーマとして深く関わるSNSでいろいろ呟いていただいたり、たくさん拡散を手助けしていただいて、そうやって広がっていくとよりこの作品らしいと思っています。みなさんのお力にかかっていますとは僕が言ってはいけないんでしょうけれど(笑)、お力を貸していただけるとうれしいと思っています。

(C) 2023 映画「#ミトヤマネ」製作委員会

◆玉城さん
・スタイリスト:松居瑠里
・ヘアメイク:今井貴子

◆稲葉さん
ヘアメイク : 速水昭仁(CHUUNi)
スタイリスト : 添田和宏

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記事名:「【インタビュー】玉城ティナ&稲葉友、映画『#ミトヤマネ』は、「ひとりの女性のお話 インフルエンサーじゃなくても成立する普遍的な内容だなと思っています」