推理小説の登場人物となり、参加者が話し合いながら事件の解決を目指す体験型ゲーム『マーダーミステリー』のシステムをベースにした、『劇場版 マーダー★ミステリー 探偵・斑目端男の事件簿 鬼灯村伝説 呪いの血』が公開中だ。その登場人物のひとり、事件が起こる村に最近移住してきた元看護師・七尾優子役を演じた北原里英に話を聞いた。
劇場版の舞台は“一夜のうちに3人の生贄の血を滴らせると死者が蘇生する”という不気味な伝承が残る鬼灯村。その伝承をもとに“三つ首祭り”という奇妙な鬼祭が行われていた夜、村の長を務める一乗寺家当主の遺体が発見される。屋敷にいた8人はそれぞれ人には言えない秘密を抱えており、殺害の動機を持っていた。事件の真相に迫るべく、登場人物を演じるキャストによるアドリブ推理が予測不能な結末へと導かれていくーー。
―本作は普通の劇映画とは違う特殊な撮影方法だったと思いますが、撮影現場はいかがだったでしょうか?
本当に特殊でした(笑)。現場に入ったらメイクするじゃないですか。そこで共演者の方たちと会うのですが、ちょっとあいさつをしていたらスタッフさんが飛んできて、「喋らないでください!」と止められるような現場だったので、本当に極力キャストさん同士は会わないように徹底していました。自分が持っている情報を確かめ合ったりしたらダメなので、カメラが回ってるところ以外では会話が禁止されていましたね。
―演じられたキャラクターは、名前と看護師という設定だけがもらえていたのですか?
設定として、なぜ彼女はこの村、この家に来ているのか、あとはバックボーンですね。なぜ看護師を目指したのか、そういうことも書かれていました。それからその日の事件が起きるまでの自分の行動に関する細かい動きの紙もあって、それぞれのキャラクターに対してどう思っているか、どういう関係性なのか、くらいですね。わたしの場合は初乃さん(文音)の友達なので、初乃さんのことは信用しているとか、そういう感じの設定書はありました。何時に何をしているかという自分のアリバイになる情報を覚えて、何を言われても言い返せるようにというか、そういう準備はしました。
―みなさんの努力でかなり面白い作品になったと思いますが、完成した作品はご覧になりましたか?
はい、観ました。面白かったです! 撮影現場ではもっとコメディよりの流れも多かったと思うのですが、本編は思ったよりもしっかりミステリーで。本当は何倍もの時間撮影していたのですが、素晴らしい編集ですごい見やすくなっていました。しかも、面白いところは残しつつ、脱線しすぎないようにちゃんとしたお話になっているなと思いました。
―こういうタイプ作品は、たとえば俳優として大きな経験値になりそうですか?
もちろんです! 演じていた時というか、実際に体験したり、お芝居をしていた時は達成感などがありましたが、それよりも個人的に完成した作品を観た時に、役者としての感想がたくさんありました。これって、素とお芝居の中間じゃないですか。この先何が起きるか分からない中で本当に驚いてるし、疑われたら本当に否定しているし、本当に焦っているっていう自分のお芝居を観て…お芝居というかアドリブを観て(笑)、初めて見る自分の表情だったんですよね。
夫と観ていたのですが、夫がそう言ってくれたんです。「今までの中でも自然ですごいよかったよ」と言われた時、ドラマや映画って当たり前だけれど結末を知っていて、次に言う、言われるセリフも、取る行動も分かった上で、でもそれを初めてのようにやるのがお芝居じゃないですか。いろいろと計算して考えてお芝居をしていたけれど、実際に生きている時って、そういうことじゃないわけですよね。何言われるか分からず生きているわけだから。
―演技の原点回帰的な意味合いも帯びている撮影だったわけですね。
それが今回は何が起きるか、何を言われるか分からない中でお芝居をしているから、たぶんすごく自然に出来ていて、だから今までで一番いい表情をしていたよと夫に言われ、なるほどって思って、すごくヒントをもらいました。だから芝居の原点みたいなものですよね。当たり前なんだけど忘れがちと言うか、当たり前なんだけど、それができてたら大女優だよね、大役者だよねっていう。新鮮なリアクション、初めてのその言葉を発する、初めてその言葉を聞くということが今回はすごい自然にできていて、そういう環境だからすごいヒントをもらいました。
なので今年からはこの作品での経験をヒントに、お芝居と向き合っていきたいなと思いました。
―最後になりますが、映画を観る方へメツセージをお願いいたします。
今回は劇場版なので、ミステリーとしてもかなりエピソードが複雑というか、かなり二転三転します。ミステリー好きからからしてもかなり楽しんでもらえる作品になっていると思います! ぜひ観てください!
『劇場版 マーダー★ミステリー 探偵・斑目端男の事件簿 鬼灯村伝説 呪いの血』
全国公開中
(C) 2024 劇場版「マーダー★ミステリー 探偵・斑目瑞男の事件簿」フィルムパートナーズ
ヘアメイク:熊谷美奈子
スタイリスト:山田梨乃
衣装協力:ブラウス/スカート musubore ブーツ AIC.
《問い合わせ先》
株式会社 アンティローザ https://auntierosa.com
情報提供元:YESNEWS
記事名:「【インタビュー】北原里英、公開中『劇場版 マーダー★ミステリー』で演技の原点回帰 「今までで一番いい表情をしていたと言われました」」